未来の森に思いはせ 長野県南箕輪村で村政150周年記念植樹

南箕輪村の村政150周年記念植樹祭で広葉樹を植える子どもたち=大芝高原
長野県南箕輪村は20日、村政150周年記念の植樹祭を大芝高原で開いた。子どもからお年寄りまで130組、400人以上が残雪の平地林に分け入り、桜やカエデ類など150本の広葉樹を植え付けた。1959年の植樹の様子を中学生が書き残した作文の朗読や、ジェラートや赤松グッズが当たるガラポン抽選会もあり、先人が守り育ててきた大芝高原の歴史を振り返りながら、未来に託す森林の姿に思いをはせた。
大芝高原みんなの森赤松小屋付近の村有林約0・5ヘクタールで行った。樹種はヤマザクラとウワミズザクラ、オオモミジ、イロハモミジ、イタヤカエデ、ホウノキ、コブシの7種類。参加者は開会式の後、指定された場所に移動し、あらかじめ掘られた穴に高さ1メートル余りの苗木を入れ、根元に土をかぶせて踏み固めた。名前やメッセージを記入した木製プレートも掲げた。
開会式で、藤城栄文村長は「素晴らしい大芝高原を皆さんと一緒に守っていきたい」とあいさつ。原源次議長の祝辞に続いて、南殿の有賀千恵子さんが中学1年の時に書いた作文が朗読された。有賀さんは「半世紀以上卒業生の目を楽しませてくれた。きょう植える苗もきっと皆さんを癒やし、懐かしい古里の原風景として心に残っていくでしょう」と語り、大芝高原のめぐり合わせに感謝した。
植樹会場には記念撮影で笑顔を見せる和やかな光景が広がった。大泉区で花壇作りに取り組むボランティアグループ「花園楽座」の原茂会長(89)は、学校のストーブに使うまきを運んだ思い出を振り返り、「大芝高原の木が戦後の村の財政を支えた。木を植えて癒やしの公園を後世に残せたら」と話した。
家族連れの姿も目立った。子ども2人と妻と4人で参加した丸山剛史さん(37)は「南箕輪で生まれ育った。子どもたちが地元を好きになり、愛着を持ってくれたら」と願った。女子ソフトボールチームの仲間と訪れた中学生は「植えた木が高く大きく育ってほしい」と期待。小学3年生になる児童は「でっかい木になってほしい。また遊びにきたい」と話していた。
大芝高原は標高780~840メートルに広がるアカマツ中心の平地林。肥料用の草やまきの採取地だったが、約130年前に村尋常小学校の福澤桃十校長が子どもと木を植え始め、村を挙げて広大なアカマツ林を作り上げた。2000年代以降は松くい虫被害が深刻化。村は今年度、森林づくり実施計画を策定し、針広混交林への再生を目指す森林整備に乗り出している。
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