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広小路にギャラリー 閉店の婦人服「こうえい」跡 帯広

「サヨナラこうえいさん」で展示される高田呉服店の看板と(左から)本間さん、和子さん。看板は同店の3階から見つかった

 帯広・広小路商店街で50年間にわたり婦人服を販売し、25日で閉店する「こうえい」(西1南8)がギャラリースペースとして活用される。同商店街で飲食店「結 YUI」を営む本間辰郎さん(61)が「これ以上、広小路のシャッターが下りてほしくない」と建物の所有者と賃貸契約を結び、管理運営する。29日からは第1弾として、同店を写真などでしのぶ「サヨナラこうえいさん(仮称)」を開催予定。本間さんは「また広小路に人が戻ってきてほしい」と話している。

 こうえいは1953年の広小路の大火で全焼後に建てられた3階建てで、2階から上が住居の「下駄履き住宅」。高田呉服店として創業し、68年に、こうえいとして婦人服の販売を始めた。高田嘉純社長(80)と妻の和子さん(74)が切り盛りしてきたが、後継ぎがいないことや高齢化などの理由で閉店を決めた。

 広小路は市内中心部の商店街の中で最も空き店舗が多く、年々空洞化が進んでいる。路面店の空き店舗は昨年10月時点で6軒あり、こうえいの閉店でさらに増えるところだった。

 ギャラリーとしての活用を決めたのは、空き店舗を減らすことや多くの人に広小路に来てもらうきっかけづくり、さらには本間さんが代表を務める「十勝おびひろ街中探検隊」の活動拠点にすることなどが狙い。本間さんの思いに共感した建物所有主が相場より2割安い家賃で賃貸を承諾し、20日に契約を結んだ。

 ギャラリーは改装などを極力施さず、「こうえいの痕跡を残したい」(本間さん)。6月以降は1週間単位でスペースを貸し出したり、物販なども行う予定で、料金などは検討中。ギャラリーの名称も今後、考えていくという。和子さんは「このように利用してもらえるのはうれしい」と喜び、本間さんは「2階には暗室を作る案も浮かんでいる。さまざまな年代の人が集まる交流拠点にしたい」と話している。

 「サヨナラ-」展は5月末まで開催の予定。市内の昭和ナツカシ館などが所蔵する昔の写真のほか、こうえいが高田呉服店だった頃の約70年前の看板などを展示する。問い合わせは本間さん(070・5668・3389)へ。

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