高遠の耕作放棄地に“羊”出動

耕作放棄地の雑草駆除へ羊を放す伊那東部山村再生支援研究会のメンバーら
伊那東部山村再生支援研究会(守屋文裕代表)は25日、伊那市高遠町藤沢の耕作放棄地で羊の放牧を始めた。過疎化や農業従事者の高齢化が進む中、地域活性化や景観形成を目指す取り組み。山間地に牧歌的な風景を創出することで、「新たな名所になれば」とも願っている。
羊の放牧は同研究会と市、財産区、生産森林組合などが2016年に高遠町山村活性化協議会を設立。農水省の「山村活性化支援交付金」を受けて事業を始めた。計画年度は3年間で、最終年度の今年は研究会の独自事業として取り組む。羊は信州大学農学部(南箕輪村)がサフォーク種の6~8歳の雌4匹を提供。11月中旬まで貸し出し、広さ約3200平方メートルにある雑草を餌とすることで、景観を維持する。
放牧には研究会の会員や信大農学部の学生ら約10人が参加。羊たちは軽トラックの荷台から降ろされると、柵で囲まれた耕作放棄地内に入り、自由に歩きながら1メートルほどに伸びた雑草を早速餌にしていた。
守屋代表(78)は「耕作放棄地や遊休農地を解消したくても、過疎化が進む地域ではマンパワーが足りない。羊の手を借りてでも、景観や農地を維持していきたい。羊を見に人が訪れることで、地域活性化にもつながれば」と期待している。
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