現地で交流、視野広げる 南部高生「日仏農業高校祭」に参加

マルシェでチーズを見るフランスの高校生や南部高校生ら(フランス・イッサンジョーで)
和歌山県みなべ町芝、南部高校(辻強志校長)の2、3年生3人が、フランスで7日に開かれた「日仏農業高校祭」に参加し、9日帰国した。3人は現地の高校生との交流を通じ、人との接し方や農業の規模の違いなどを肌で感じ、知見を広げた。
日仏農業高校祭は、国際感覚を備えた農業人材の育成を目的にした農林水産省の「日仏農業教育連携事業」の一環。フランス南東部のイッサンジョーで開かれ、フランスからは9校約50人、日本からは南部高校が現地参加した。
参加したのは、食と農園科園芸コース3年の横畑光洋さん(18)、加工流通コース3年の吉田有彩さん(18)、調理コース2年の大﨑拓さん(17)。橋本和旭教頭と、農場長で食と農園科の谷口和久教諭(57)が引率した。
4日に日本を発ち、5日は同校の連携校、フランス南東部リヨンのプレサン高校(農業高校)を訪問、学校の農場や施設を見学した。
6日はイッサンジョーで、農業高校祭に参加する高校生らと一緒にマルシェ(市場)を訪れ、購入した食材を使って昼食を作って食べた。南部高校の生徒は鶏のもも肉を梅酢に漬け込んで焼き、フランスの高校生らに好評だった。フランスの高校生からは、現地の家庭料理が振る舞われた。
7日の農業高校祭では茶道のデモンストレーションや、こうじと日本の食文化についての講演会などがあった。日本文化を紹介するブースでは巻きずしやたこ焼きを作って食べたり、折り紙や書道の体験をしたりした。高校祭の後、近くのチーズ工場も見学した。
滞在期間中、生徒らは現地の学校の寮で宿泊し、フランスの高校生と寝食を共にした。
4月から北海道の酪農学園大学に進学する吉田さんは「本場のチーズ工場や広大な牧場などを目で見て話を聞き、日本の酪農との違いを知ることができた。いい経験になった」と話した。
かつらぎ町の農林大学校に進む横畑さんは「同じ部屋に泊まった高校生とスマートフォンの翻訳機能を使って話をした。人との距離感が日本よりも近く、仲良くなれた。フランスの高校生の積極性を見習い、日本でも積極的に人と関わっていきたい」と話した。
調理コースで学んでいる大﨑さんは「皆で学食を食べた時、料理を残す生徒が多いのが気になった。高校祭に来ていたフランス政府の人と話をすると『教育の問題もある』と言っていた。食品ロスは世界的な問題だと感じた」と指摘した。
橋本教頭は「文化や価値観の違いを肌で感じ、視野を広く持てるようになったのではないか。今回の経験を生かして、国内にとらわれるのではなく、幅広い考え方を持てるようになってもらえれば」と話した。
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