蒲郡市の市民団体「西浦リボーン」は西浦温泉のすべての宿泊施設と連携し、使い捨て歯ブラシをアップサイクル(創造的再利用)した「歯ブラシ置き」をチェックインした利用客にプレゼントしている。両者が取り組む実証実験「TOOTH BRUSH TO UP」の一環。

フロントで歯ブラシと歯ブラシ置きを交換する客=銀波荘で
団体は西浦を「サーキュラーシティ蒲郡」のモデルタウンにすべく、「サーキュラータウン西浦」と題し、フードロスの施策を考えてきた。この中で、おもてなしの重要性を配慮しながらも、コストがかかるのに、すぐ捨てられるアメニティーを客室に置く必要があるかを議論してきた。
2023年、西浦であった脱炭素社会実現に向けた全国の大学生対象の研修で、資源循環のコーディネーターの坂野晶さんに相談した。坂野さんが学生にアイデアを募集したところ、歯ブラシを回収し、より長く使える歯ブラシ置きに作り変えることを提案され、採用した。
昨年6月、旅館やホテルの関係者に声掛けして賛同をもらったほか、坂野さんにも協力してもらい、実証実験のプロジェクトを始めた。11月から回収を始めた結果、宿泊施設と市立西浦小学校で歯ブラシ約7200本を集めることができた。
今回、ポリプロピレンの素材を使った歯ブラシを群馬県の会社で粉砕、ペレットにした後、大阪府のプラスチック成形メーカーが923個の歯ブラシ置きを作った。
1月14日から、客室の使わなかった歯ブラシを各宿泊施設のフロントに持っていくと、歯ブラシ置きをプレゼントしている。プロジェクトの取り組みと資源循環の重要性、プラスチックごみ削減への理解などを伝えている。
他地区への波及目指す
リボーンメンバーの山村佳史さんは「まずは西浦から『プラスチック削減のまち』を作っていきたい」と話した。また「取り組みが三谷や形原、蒲郡の各温泉に普及すれば、サーキュラーシティ蒲郡のアクションプランの一つ『観光』の成功事例になると思う」と述べた。

(左から)歯ブラシを粉砕し、ペレットにして、歯ブラシ置きに再生する
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