ハクビシンの捕獲過去最多 和歌山県田辺市で

田辺市内で捕獲が増えているハクビシン(和歌山県田辺市稲成町で)
農作物などに被害を及ぼしている外来哺乳類のハクビシン(ジャコウネコ科)が、和歌山県の田辺市内で分布を広げている。2024年の捕獲数(交通事故含む)は過去最多の94匹で、前年の1・6倍。特に旧町村で増加した。市農業振興課と連携して調査しているふるさと自然公園センター(田辺市稲成町)の鈴木和男さんは「アライグマのように繁殖の大爆発につながる可能性がある。早期の駆除が重要だ」と話している。
田辺市では13年に2匹が捕獲されて以降、14年7匹、15年10匹、16年20匹と推移したが、20年には41匹となり、22年54匹を記録すると23年57匹、24年94匹と増え続けている。
旧町村では16年に5匹捕獲され、19年から毎年1桁で推移していたが、24年は25匹と一気に増えた。24年に多かった地域は旧市内では上秋津19匹、長野11匹、上芳養10匹。旧町村では大塔10匹、龍神8匹だった。
紀南での初確認は、12年5月14日に白浜町十九渕で捕獲された妊娠した雌。同月24日には同じ場所で雌の幼獣が捕獲された。田辺市での初確認は13年2月25日に新庄町で捕獲された成獣の雄。同年3月2日にも上秋津で成獣の雄が捕獲された。県内では09年にかつらぎ町で初めて見つかった。
鈴木さんは「捕獲数の増加は捕獲に努めていることも一因だが、生息数は確実に増えているはず。今後、雨どいや電線を伝って住宅や倉庫への侵入が増えてくるのではないか」と心配している。
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