八峰町の「輝サーモン」、4季目の養殖事業始まる 水揚げは5月予定

輝サーモンの養殖試験が今季も始まり、いけすに未成魚を流し入れる関係者(八峰町の岩館漁港で)

重さ約800㌘の未成魚
八峰町の若手漁業者らでつくる「八水」(菊地陽一社長)は12日、同町の岩館漁港でトラウトサーモン「輝(かがやき)サーモン」の未成魚約1500匹を港湾内のいけすに流し入れ、4季目の養殖事業を開始した。生存率8割以上、平均重量3㌔超を目指している。水揚げは5月に複数回に分けて行う予定で、菊地社長(45)は「しけのない穏やかな天候に恵まれることを期待し、大きく育てたい」と話した。
サーモンの養殖事業は、ハタハタの漁獲量減少などを受けて漁師の安定した収入確保や雇用創出を目指す「育てる漁業」の試み。令和3年12月に県から委託されて県内初の取り組みとして始まり、2季目の4年からは八水の事業として県や町の補助金も活用して行われている。昨季は、いけすを改良したりAI(人工知能)を搭載した自動給餌機を導入したりして生存率9割を達成した。
網入れは例年12月下旬に行っているが、今季は季節(沿岸)ハタハタ漁の遅れに伴い、開始時期を遅らせた。日本サーモンファーム(青森県深浦町)から重さ約800㌘の未成魚約1500匹を仕入れ、11日に同社の大峰中間養殖場(同)から大型トラック3台で未成魚を入れたタンク(約2千㍑)8個を岩館漁港に運んだ。同日午後6時ごろから12時間かけ、淡水で飼育されていた魚を海水に慣らす作業の「馴致(じゅんち)」に当たった。
馴致では、これまで行っていたタンクに酸素を送る作業に加え、新たに二酸化炭素の排出にも取り組んだ。八水専務の小林優大さん(38)は「酸素を送ると同時に二酸化炭素も出してあげることで、魚のストレス軽減につながる」と話した。
12日は八水と日本サーモンファームから計8人が参加し、午前7時30分ごろに作業を開始。タンクとホースをつなぎ、約1時間かけ、いけすに未成魚を流し入れた。魚はいけすで円を描くように泳ぎ、小林さんは「サークル状に泳ぐことは魚が元気でいられているということなので、まずは一安心」と表情を緩めた。
水揚げは5月に複数回に分けて行い、県内各スーパーで販売される予定。菊地社長は「昨季は生存率こそ高かったが、大きさは全体的に小さかったので、生存率を保ちながら大きく成長させるために頑張りたい」と力を込めた。
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