チョーイチョイ 茅野市の小泉山で「上古田の火とぼし」

燃え盛る小屋に向かい、大声ではやし立てる子どもたち=茅野市の小泉山
茅野市の小泉山で18日夜、市の無形文化財「上古田の火とぼし」が行われた。同市豊平の上古田区に住む9~12歳の男子7人(小学生5人、中学生2人)が参加。あらかじめ山中の4カ所に作っておいた小屋に火を付けて回り、大きな声で「火とぼしチョーイチョイ」とはやし立てた。
上古田の火とぼしは、枯れ枝などで覆った高さ約3メートルの小屋を燃やし、たいまつを持って夜の山中を練り歩く男の子の行事。起源は定かではなく、虫送りや雨ごい、火伏せ、疫病除けなどの諸説がある。一切が子どもたちの手で行われるのが特徴だ。
子どもたちは5月の連休明けから小泉山に2、3回登り、小屋作りに励んできた。この日は、秋葉神社前、奥の院(山頂)、中段、金毘羅神社前の順に回り、燃え盛る小屋に向かい、「火とぼしチョーイチョイ」と繰り返した。当日参加で区内の小学2、4年の女子3人も訪れ、伝統行事を盛り上げた。
最年長者として「親方」を務め、行事を取り仕切った東部中1年の長田大和さん(12)と山田隆仁さん(12)は「みんなが率先して準備ができた。小さい子の面倒を見るのは大変だったけど、上の人の言うことを聞くようになり、まとまりがでてきた」と手応えを語った。
同区では少子化が進み、火とぼしをいかに受け継いでいくかが課題という。小尾定良区長(65)は「区の課題として、みんなで考えています。年齢を超えた団結力を育む機会。とにかく守っていきたい」と話していた。
上古田の火とぼしは24日にも行われる。
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