「北限の檜山茶」手もみ体験

茶の「手もみ」を体験する参加者たち(能代市の桧山崇徳館で)
「北限の茶」として知られる特産・檜山茶の魅力を発信する「檜山茶フェスティバル」は17日、能代市の桧山崇徳館で開かれ、市内外から参加した20人が昔ながらの「手もみ」体験や、おいしいお茶のいれ方を学んだ。
檜山茶は京都・宇治系統の流れをくむ手摘み、手もみの技術を今に残し、植え替えや品種改良を全く行っていない樹齢280年以上の在来種として歴史的価値が認められている。フェスは製茶業を営む茶畑としては北限とされる檜山茶の魅力をPRする機会にと、檜山茶保存会(野呂進会長)と桧山地域まちづくり協議会(安部隆昭会長)が共催し、今年で8年目を迎えた。
茶葉を乾燥させる恒例の「手もみ」体験には市内や秋田市、由利本荘市、鹿角市の女性らのほか、県内の学生でつくるARCグループのメンバー、県庁に勤務する中国人職員2人も参加。保存会員の指導の下、焙炉と呼ばれる木枠に厚手の和紙を張った製茶用の乾燥炉で蒸した茶葉をガスで乾燥させながら、手でもみほぐした。
時間の経過とともに葉の色や音が変わり、それに合わせてもみ方も変えていく繊細さが求められる作業で、仕上げまでは6時間を要する。参加者は「体力勝負だね」などと驚きを見せる一方、お茶の芳香に包まれての作業を存分に楽しんでいた。
3カ月前に転勤で能代市にやって来たという奈良県出身の屋敷昌利さん(32)は、インターネットの情報で開催を知り夫婦で参加。「祖父が茶畑を持っていたが、製茶の作業は見るのも体験するのも初めて。お茶のいい匂いがしてとても楽しい。出来上がったお茶を飲むのも楽しみ」と語り、作業に没頭。
また中国甘粛省の敦煌研究院から今年4月に県庁に派遣され、国際交流員として活動する黄超旭さん(31)=国際課=は「中国ではこうした体験をできる場はないし、非常に面白くて勉強になる。秋田の文化を各地で学んでいるが、檜山茶のこともぜひ中国で紹介してみたい」と話していた。
地元の女性たちが調理した郷土料理で昼食を取った後は、保存会の梶原啓子副会長を講師にした「おいしいお茶のいれ方講座」も開かれた。このほか能代松陽高茶道部の生徒による呈茶サービス、桧山地区の物産販売、希望者を対象にした茶園の見学会なども開かれた。
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