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長野日報社

未来にも蛍乱舞を 辰野西小4年生カワニナ放流

蛍の乱舞を願いカワニナを放流する辰野西小の4年生

 辰野町の辰野西小学校4年生63人は15日、ゲンジボタル生息地の松尾峡(ほたる童謡公園)で、幼虫の餌となる巻き貝・カワニナを放流した。自分たちで協力してカワニナの養殖と放流を行う独自の体験学習。古里の象徴である蛍の乱舞や美しい清流が未来へ続くよう願いを込め、校内の水槽で大切に育ててきた稚貝93匹を水路へと放った。

 児童たちは2年生時から、地域の自然環境や生き物をテーマに学んできた。蛍の成育に数多くのカワニナが必要なことを知り、ほたるの里まちづくり推進協議会の補助で親貝用と稚貝用の水槽2基を購入して校内に設置。合計1万匹を目標に掲げて養殖に取り組み、年2回のペースで松尾峡へ放流している。

 養殖は2クラスの当番制で、食料のほお葉や貝殻を作る石灰石などを与えるほか、水温管理や水槽の掃除にも小まめに励む。稚貝が生まれるとスポイトで吸って親貝から隔離し、別々の水槽で飼育して生存率を高めるなど、町の担当職員も感心するほどの本格的な作業を進めている。

 放流では、児童が水路際に並び、バケツに入れた1~5ミリ程度の稚貝を流れの中へ送り出した。児童会カワニナ委員会にも所属する、知組の榎本蓮君(9)は「小さなカワニナを育てるのは大変だけれど、3年目になって少しずつこつがつかめてきた。町のあちこちで蛍が飛ぶように、これからも頑張ってカワニナを育てたい」と話した。

 日ごろ指導にあたる、たつの未来館ほたるラボの宮崎敏孝さん(76)=同町、元信州大学特任教授=は「蛍がカワニナを食べる生命の営みをきちんと理解し、自発的に活動しているのが素晴らしい。将来ぜひ蛍を守る担い手になってほしい」と期待を寄せた。

 児童らは16日に開幕する「第70回信州辰野ほたる祭り」で、空き店舗活用の休憩所・おもてなし空間に活動成果を展示。水槽を置いてカワニナを入れ、来場者に興味を持ってもらう考えだ。

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