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年内操業目指し試運転 大雨被害の与論島製糖 可否は確認作業の結果次第

試運転が始まり、煙突などから蒸気が上がる与論島製糖与論事業所=28日、鹿児島県論町

 今月8日から9日にかけて鹿児島県与論島を襲った記録的な大雨で施設が浸水の被害を受けた与論町の与論島製糖与論事業所(中野貴志所長)で28日、製糖前に工場全体の設備を動かして稼働状態を確認する試運転作業が始まった。同事業所は前期まで7年連続で年内操業にこぎ着けており、今期も年内の操業を目指す。29日まで試運転を行った上で、2024―25年期の操業の見通しを立てる。

 中野所長によると、同事業所では大雨の影響で工場の地下が一時水没し、1階部分も浸水。配電室も水に漬かった。その後、非常用発電機を用いて送風機などを動かし設備やケーブル類を乾燥させたり、モーターを解体して清掃したりするなど、電気系統を中心とした設備の点検や復旧作業を進めていた。

 復旧作業に伴い、試運転は例年より約2週間遅れで開始。設備に異常がないかや配管から蒸気が漏れていないかなどを確認し、問題があれば部品の交換などが発生するほか、試運転後には最終の整備作業もある。

砂糖の結晶と蜜を分ける分離機を確認する従業員

 目標としていた年内操業の可否は試運転の結果次第になるといい、中野所長は「いつ製糖を始めるかお答えできなくて心苦しいが、他の製糖工場など多方面から『何か協力できることはないか』と声を掛けていただいており、感謝している。なんとか試運転までこぎ着けたので、年内の操業開始を諦めず整備を進めていきたい」と語った。

 大雨の影響で開催が見送られていた与論町製糖対策会議(会長・田畑克夫町長)は12月5日に開催予定。試運転結果なども踏まえ、今期の操業計画を決めることになるという。

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