土砂災害の教訓学ぶ 啓発センターで授業
和歌山県
「土石流模型装置」で災害について学ぶ子どもら(那智勝浦町市野々で)
那智勝浦町内の小学校が、同町市野々にある県土砂災害啓発センターの職員らを学校に招いたり、啓発センターを訪れたりし、土砂災害について学んでいる。町内で多くの犠牲者が出た紀伊半島大水害(2011年9月)の教訓を後世に伝えるための取り組みで、今年で3年目。関係者は「教訓を子どもたちに伝え、保護者らにも防災意識を波及させたい」としている。 紀伊半島大水害の際、町内では各所で土石流が発生するなどし、死者・行方不明者は29人に上った。 町教委では2016年度から、同年度に開所した啓発センターと啓発センター内にある国土交通省近畿地方整備局の大規模土砂災害対策技術センターとの共催で「土砂災害防止に関する総合学習授業」に取り組んでいる。 啓発センターの職員らがまず学校を訪問して土砂災害について事前の授業をした上で、啓発センターに来てもらってさらに詳しく学ぶという内容。16年度は市野々小学校、17年度は太田小学校の子どもたちがこの授業を受けた。 本年度は「土砂災害防止月間」(6月)に合わせて、色川小学校の4~6年生10人が4日、啓発センターを訪問。土砂災害への備えを学ぶ3D映像を見たり、施設内にある「土石流模型装置」で土砂災害が起きる様子や砂防堰堤(えんてい)の効果を学ぶなどした。6年生の矢守咲月さん(12)は「2日間にわたって教えてもらい、避難をすることがとても大事だと思った。学んだことを頭に入れておきたい」と話した。 町内には小学校が6校あり、町教委は今後、他の小学校にも取り組みを広げていく予定という。 啓発センターの坂口武弘所長は「子どもたちに教えると、保護者らにも情報が伝わるし、災害時に子どもが声を上げることで早期避難にもつながるので、子どもの防災意識を高めることは重要。要請があれば県内どこへでも出向きたいし、啓発センターにも来ていただきたい」と話している。
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