アカウミガメ 続々上陸 産卵シーズン
千里の浜に上陸・産卵したアカウミガメのサイズを測る調査員(13日午前0時50分ごろ、みなべ町山内で)
絶滅危惧種に選定されているアカウミガメが、本州最大の産卵地として知られる和歌山県みなべ町山内の千里の浜に上陸し、産卵を始めている。12日夜から13日朝にかけては上陸3回、産卵2回が確認された。今月下旬から7月中旬にかけてが上陸・産卵のピークで、8月中旬ごろまで続く見通し。
吉野熊野国立公園内にある千里の浜では毎年、NPO日本ウミガメ協議会(大阪府)や地元のみなべウミガメ研究班、青年クラブみなべ、日用品の大手メーカー・ライオン大阪工場(堺市)が調査・保護活動に取り組んでいる。 今年は5月25日に、みなべウミガメ研究班が上陸・産卵の痕跡を初確認。調査員が浜を交代で夜通し歩いて上陸してきたウミガメを探す本格的な調査が始まった8日以降では、13日朝までに上陸7回、産卵4回を確認している。 みなべ町は今年「ウミガメ保護条例」を制定、千里の浜近くには調査や保護、学習の拠点となる「みなべ町千里ウミガメ館」を建てた。 協議会の松沢慶将会長(49)は「今年はウミガメ館が新しくできるなど、みなべのウミガメの軌跡に新しい一ページが加えられた。これまで約30年間、ウミガメに標識を取り付ける調査をしてきたが、今秋には今までの研究を整理して展示に使えるようにしたい。今のところ、全国的に上陸・産卵の出足が良くないので、今後の伸びに期待したい」と話している。 協議会によると、日本の近海では5種類のウミガメが見られ、そのうちアカウミガメとアオウミガメ、タイマイの3種類が日本の砂浜で産卵する。アカウミガメが浜に上陸し、穴を掘って産卵して埋め、海に戻るまで最短で1時間、平均して2時間ほどかかるという。 アカウミガメは環境省のレッドリストでは、近い将来に野生での絶滅の危険性が高いとされる「絶滅危惧IB類」に選定されている。 観察には、町教育委員会への許可申請が必要。ライトを照らさない▽フラッシュ・ストロボ撮影は禁止▽産卵するまで近寄らない▽ペット同伴禁止―などのルールを設けている。詳しくは町ホームページに掲載している。問い合わせは町教委(0739・74・3134)へ。
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