故郷の魅力を発信しようと、地域の取材結果をパンフレットやコマーシャル動画などにまとめて発表（能代二中で）

　能代市能代二中の3年生は、故郷の魅力を見詰め直して発信することを目指し、コマーシャル（CM）動画やポスターなどを制作した。7日に同校で発表会を開き、9月から取り組んできた取材や編集作業の成果を披露。白神ねぎや風の松原、能代の花火といった地域資源を深掘りした生徒から「自慢できるものが多いと改めて感じた」という声が聞かれた。
　3年生98人が総合的な学習の時間で取り組んだ。動画、ポスター、パンフレット、ホームページの4分野で、観光施設や商工団体、事業者を取材し、動画・写真撮影、編集作業などを進めてきた。
　動画は、30秒の映像（5作品）を発表した。このうち「宇宙のまち能代」をテーマにしたチームは、市子ども館を取材。宇宙航空研究開発機構（JAXA）の能代ロケット実験場の取り組みや、ロケット開発の歴史を紹介する展示などを紹介した。担当した田中小梅さんは「展示を改めて見学し、内容が充実していると実感した。たくさんの人に見てもらいたい」と話した。
　別のチームは、印象的な音に焦点を当てて聴覚に訴える動画手法「ASMR」を採用。特産・白神ねぎを包丁で刻む「トン、トン」といった音や、夏の風の松原に響くセミの鳴き声などをそれぞれの映像と合わせて紹介した。袴田舞咲さんは「通常の動画より、若い世代に“引っかかる”方法としてASMRに挑戦した」と話した。
　ホームページのチームは、「能代の花火」や「天空の不夜城」といった夏のイベントについて色鮮やかな写真を多用して紹介したり、能代の現状をより広く発信しようと説明文をすべて英文にしたり、それぞれが知恵を絞った取り組みを紹介した。
　ポスターは、旧料亭金勇やきみまち阪公園といった観光地をスタイリッシュな7種類のデザインに仕上げた。二つのチームが制作したパンフレットは、それぞれ観光と食に焦点を当てて分かりやすく情報を掲載している。同校は「ポスターの掲示やパンフレットの配布など、学習成果に触れてもらう機会を検討したい」としている。