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故郷の方言を体系化 當山さん「黒島辞典」出版

「黒島辞典」を発刊した當山さん=7日午後、那覇市の自宅

 【那覇】八重山古典民謡研究家の當山善堂さん(80)=黒島出身、那覇在=がこのほど、「黒島辞典―黒島の言語・諺・歌謡・習俗―」を出版、故郷の黒島方言を約8千語収録して体系化した。

 中学生まで黒島で過ごした當山さんは沖縄本島在沖黒島郷友会の会長を務めた60歳から、郷友会の先輩の黒島方言を聞き取り、記録し始めた。

 さらに方言や島の行事に詳しい友人の野底善行さんの協力を得て、調査を本格化。宮城信勇氏の「石垣方言辞典」、前新透氏の「竹富方言辞典」、加治工真市氏の「鳩間方言辞典」も参考にしながら、黒島方言を解明。16年に発症した白血病と付き合いながら、6年かけて辞典を完成させた。

 黒島辞典には方言以外に、一般的なことわざ346種、黒島の歌謡と説明、黒島で実際に使われていた呼び名(ニックネーム)、民具や動植物のイラストなどを全841㌻にまとめた。

 當山さんは「先達の辞典をていねいに見ていけば、あと二千~三千語は増やせたと思うが、病気にかかりながらある程度のことはできた」と振り返り、「これから日常語として方言は消滅すると思うので、残していかないといけない。いずれは黒島語を音として記録したい」と意気込んだ。

 同辞典は11月3日、編集工房東洋出版から発行。定価2万2千円(税込み)。

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