ネパールの資料保存と交流の場 「ライブラリ&カフェ」長野県駒ケ根市に開館へ
ネパールに関する資料などを並べ、交流もできる「ライブラリ&カフェ」を開設する関係者
ネパールに関する研究資料や書籍、民具を並べ、飲食も楽しみながら学習や交流などができる「ネパールライブラリ&カフェ」が7日、長野県駒ケ根市中央のレストラン「ポカラキッチン」2階に開館する。ネパール・ポカラ市と国際協力友好都市協定を結ぶ駒ケ根市に、資料保存を図りつつ交流促進のための民間の施設を設けようと有志が構想し、具体化した。取り組みは全国的にも珍しいといい、同日のセレモニーには駐日ネパール特命全権大使も臨席する。
◆立場異なる3人が構想
携わるのは元埼玉大学特任教授でネパールの民俗や女性のジェンダー問題を調査研究してきた伊藤ゆきさん(80)=さいたま市=、元日本ネパール協会理事の古畑庸博さん(77)=飯島町=、ポカラキッチン店主でネパール出身のギリ・ケサラさん(54)=駒ケ根市=。立場は異なるもののネパールに関わり続け、交流の架け橋となってきた3人が新たな施設を設ける。
開設に至った背景には、研究者やネパールに関わってきた人が高齢となり、資料が処分され、散逸する状況がある。それらを保存し、公開するライブラリーをつくろうと構想。ポカラと友好都市で、国際協力機構(JICA)駒ケ根青年海外協力隊訓練所もある同市は「ネパールへ熱い思いを持っている人が多い。最適な場所」。ギリさんが店舗一部を無償で提供した。
◆JICA訓練所がある最適な場所
並べるのは伊藤さんらが集めたネパール民俗や女性に関する資料、法律書、経済や教育の統計資料。ヒマラヤなどをテーマに日本人冒険家が書いた紀行文、観光や文化に関する書籍も豊富だ。民具類は太鼓や笛といった楽器、香辛料をつぶし、ヨーグルトを作る道具なども紹介し、家庭の神棚も再現。机や椅子を並べて、学習や1階レストランで提供される飲食物を楽しみながら歓談できるようにした。
◆駒ケ根のポカラキッチン2階に
講演会などイベントも開いていく考えで、地元の団体がネパール人に日本語を教える会場としての利用も始まった。伊藤さんらは「飲食を楽しみながらネパールを知る。ネパール語を勉強し、旅行や研究するきっかけの場に。駒ケ根だからできること。憩いの場になれば」と期待する。
ネパール文化を取り入れた催しなどを積極的に行うギリさんも「ライブラリーができるは出身者にとってもうれしい。交流を深め、両国の関係をより近くしたい」と話す。
利用無料。ポカラキッチンの営業に合わせて午前9時30分ごろから午後9時ごろまで開館する。ほぼ無休。問い合わせは古畑さん(電話090・1860・9677)へ。
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