バリアフリー情報の地図化へ車椅子で「まち歩き」 能代市中心部巡る

バリアフリーマップを作りながら、街のバリアやバリアフリーを体感
秋田市の特定非営利法人NAOのたまご(佐々百合子代表理事)主催の「みんなで創るバリアフリーマップ まち歩きin能代」は27日、能代市の中心市街地で行われた。参加者は歩行者天国イベント「のしろいち」でにぎわう畠町通りや、柳町などを車椅子や徒歩で巡り、スマートフォンアプリを利用してバリアフリー情報を収集・登録したり、気付きを共有した。
同法人は平成30年の仙北市角館を皮切りに県内各地で「まち歩き」を実施、能代市が6カ所目。スマートフォンアプリ「ウィーログ!」を使用、車椅子で走行したルートや利用した施設、トイレの写真など、当事者の判断に役立つ情報を登録し、グーグルマップ上で共有している。
この日は同市、三種町、秋田市から車椅子利用者4人を含む18人が参加。上町の能代ふれあいプラザ・サンピノに集合し4グループに分かれると、「車椅子で入れる飲食店やスロープのある施設を探そう」「仮装した人と写真を撮ろう」「心のバリアフリーを見付けよう」「車椅子対応トイレを探そう」といった〝ミッション〟を携え、街なかへと繰り出した。
畠町通りでは「のしろいち」を楽しむ大勢の人が行き交う歩道を進んだ。坂道に延びたガラポン抽選会の行列に並び、畠町通りから能代バスケミュージアムへの往復では「たっぺの坂」に挑んだほか、車道と歩道の境目の段差、車道の横断、買い物など、移動や施設利用、イベントのバリアやバリアフリーを体験。出入り口に段差のある商店では、店主がさっと車椅子の前輪を持ち上げて入店をサポートする場面も見られた。
普段は杖(つえ)を使うという能代市通町の石岡奈々さん(25)は車椅子ユーザーとして参加。「健常者から『どうサポートしたらいいのか、分からない』と言われることがある。障害者と健常者が出会う機会がもっと増えて、理解につながっていけば、と思う。当事者自身、人混みを避ける人がまだまだ多いけれど、自分から外に出て、周囲に伝えていかないと始まらない。当事者がもっと自由に出歩ける世の中になってほしい」と語った。
また、理学療法士を目指している秋田リハビリテーション学院1年の松渕悠真さん(19)=秋田市=は、街なかで車椅子に「乗る」と「押す」の両方を体験し、「気を使うべきことがたくさんあった。車椅子を見掛けたら、少しよけるなど、ちょっとした気遣いがあればすごく助かるし、気持ちの面でも楽になる」と話し、実社会と同時に将来に生かせる学びも得たようだった。
佐々代表理事は「街なかで車椅子の人に出会った時、車椅子に乗った経験があれば、声を掛けやすくなる。コミュニケーションを取るきっかけになり、ハードルを下げることにつながれば」と期待を寄せた。
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