豊橋競輪場の場内告知のポスターがSNSやメディアで注目を集めている。「競輪と人生」をテーマに、来場者の年配男性が真剣なまなざしで「競輪は真剣にやるんだよ」と語り掛ける。

話題のポスター(提供)
ポスターを公開すると、公式Xの投稿が22万回以上閲覧され、「インパクト抜群」などと反響の声が相次いだ。他の競輪場職員からも「あれいいね」と声を掛けられ、競輪事務所の酒井美奈さんは「こんなことは初めて」と声を弾ませる。
若者の「競輪離れ」と言われて久しく、新型コロナ禍の影響で投票アプリで競輪を楽しむ人が増えた。同事務所の石原愼也さんは「レースの迫力やヒリヒリとした展開は現地でしか味わえないが、客足が戻らない」と頭を悩ませる。
競輪場に足を運んでもらうにはどうすればいいのか。以前は、選手を前面に押し出したポスターだったが、同事務所の杉山亮さんは「どこも見慣れたデザインで、興味のない人は素通りしてしまう」と課題を感じていた。そこで、デザインを一新しようと採用されたのが今回の案だった。
8月上旬にゲリラ撮影を敢行。「来場者に撮影許可をもらうのはハードルが高い」という不安があったが、「撮影中にお客さんが『この人良いよ』と推薦してくれた」と舞台裏を語る。
大一番に挑む「かっこよさ」を伝えるため、モノクロでシンプルなデザインにし、来場者の生の声を使った。杉山さんは「お客さんの目線に立つと大勝負。その真剣でカッコいい姿を表現したかった」と話す。
近年は地元インフルエンサーと協働したスイーツイベントの開催や若手競輪選手の育成プロジェクトなど、若年層の開拓にも力を入れる。杉山さんは「チャレンジ精神を持って、さまざまな取り組みを続けていきたい」と前向きに語る。
ポスターは今後も2カ月おきに更新され、違う来場者が登場する予定。

舞台裏を語る杉山さん㊧と酒井さん=豊橋競輪場事務所で
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