ときわ動物園で２０日、同園の展示設計を手掛けた動物園デザイナーの若生謙二さん（大阪芸術大教授）による特別ガイドツアーが開かれた。宇部市内外から１３人が参加し、動物たちの魅力を引き出す展示の工夫などの解説を聞きながら園内散策を楽しんだ。

　若生さんは上野動物園（東京都）の「パンダのもり」や天王寺動物園（大阪府）の「アフリカサバンナゾーン」など、全国各地で画期的な展示をデザインしてきたスペシャリスト。

　同園には市民や来園者が動物園の魅力向上を支援するサポーター制度があり、今年度の第１回サポーターイベントとして開催した。

　散策前には、木の枝を跳び回るテナガザルなど自然に暮らす動物の姿を再現した「生息環境展示」を同園で実現させるまでの苦労を、若生さんが写真を交えて紹介。その後、森の中へ入っていくわくわく感を演出する入り口の色彩、曲線を利用して視覚に緩急をつける〝映える〟展示手法など、細部までこだわったデザインの一つ一つを解説して回った。

　夫婦で参加した田井中桃代さん（５１）＝山口市阿知須＝は「四季折々の自然と動物が楽しめるのでいつ来ても飽きずに楽しい。何度も通っているが、若生さんの話を直接聞けて改めて感激した」と話した。