藤沢女流本因坊が連勝飾る 能代市・旧料亭金勇で対局

藤沢女流本因坊(右)と牛四段が対局を繰り広げた(能代市の旧料亭金勇で)
囲碁の第43期女流本因坊戦五番勝負第2局は20日、能代市柳町の旧料亭金勇で打たれた。藤沢里菜女流本因坊(26)=七段=が、挑戦者の牛栄子四段(25)に対して優勢に対局を進め、177手で黒番中押し勝ちした。2連勝で、5連覇まであと1勝とした。女流棋戦で最も歴史があるタイトルに、地域内外のファンが注目し、熱い視線を送った。第3局は今月28日に鳥取県湯梨浜町で行われる。
女流本因坊戦は、昭和56年に創設された女流棋戦のタイトルの一つ。旧料亭金勇が会場となるのは平成29年、令和元年、4年に続き4度目となる。五番勝負の第1局は先月18日に岩手県花巻市であり、藤沢女流本因坊が1勝を挙げてこの日の「能代決戦」を迎えた。
第2局の対局会場は、旧料亭金勇の2階大広間に開設。杢(もく)目の天然秋田杉の天井板を卍型に配した天井がひときわ目を引く110畳の空間は、これまで行われた本因坊戦、女流本因坊戦でも棋士から高く評価されている。この日は、挑戦者の牛四段に続いて藤沢女流本因坊が入室。互いに集中力を高めて定刻の午前9時を待ち、藤沢女流本因坊から碁石を打ち下ろして熱戦の火ぶたが切られた。
日本棋院関係者によると、藤沢女流本因坊が対局全般を通じて優勢に立つ時間が長かった。関係者が「妙手」に挙げた85手で黒の地合がリード。一時、形勢を不利にしそうな局面もあったが、冷静さを取り戻して解消、その後はさらにリードを広げた。午後4時38分に決着した。
藤沢女流本因坊は現在、女流名人と扇興杯を含めて女流タイトルの3冠を保持。女流本因坊は4連覇中で、名誉女流本因坊の資格が得られる5連覇まであと1勝とした。対局後、「序盤は判断しにくい場面も多く、誤算もあった」と反省点も挙げた。第3局に向けて「体調を整えて、精いっぱい力を出し切ることができたら」と語った。
牛四段は4、5年にタイトル戦の一つである扇興杯女流囲碁最強戦を連覇しているが、女流本因坊戦は初挑戦。「形勢が良くないかなという場面で、もうひと頑張りしたかった」と振り返った。背水の陣で臨むことになる第3局は「良い内容にしたい」と力を込めた。
終局後、2人の棋士は大盤解説会が行われていたプラザ都にも足を運び、長い熱戦を終えたばかりの疲労も表情に出さずに対局を振り返り、ファンを喜ばせた。
第3局は、28日に鳥取県湯梨浜町で行われる。第4局、第5局はそれぞれ11月6、15日に東京都の日本棋院で計画されている。
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