平均白化率が8割に 環境相 石西礁湖サンゴ、大幅悪化

白化率が高かった黒島北側の海域(環境省提供)
環境省は9日、石垣島と西表島の間に広がる石西礁湖でサンゴの白化現象を調査した結果、全調査地点の平均白化率が84・0%、生きているサンゴが占める範囲を表す平均被度は17・4%だったと発表した。平均白化率は、台風の襲来などで水温が低く抑えられて白化現象がほとんど発生しなかった前年9月調査の2・6%からは大幅に悪化したが、大規模白化のあった2016年9・10月の97・2%や22年9月の92・8%より低かった。 調査は9月2日から同7日まで31地点で実施。50㍍四方の区間でサンゴの状態を健全、薄色、白化、死亡の4階級に分類し、それぞれの被度の割合を記録した。 白化状況は健全が16・0%でそれ以外の白化率に含まれる薄色が59・4%、白化が13・7%、死亡が10・9%だった。 完全白化率が高かったのは、西表東側から黒島北側の海域。白化率が低かったのは、小浜島北側から竹富島北西側リーフとなった。 平被度は多くの地点で22年の大規模白化から緩やかに回復していたが、前回調査の6月より若干下がった。6月調査から今回までの間に死亡群体が増加したことが影響した。 環境省によると、被度低下の要因は白化現象のみとは限らず、7月の台風3号や8月の台風9号によるかく乱などが影響している可能性があるという。 環境省石垣自然保護官事務所は「平均白化率は大規模白化の年より低いが、ベースとなるサンゴ被度が下がっている。その中で84%が白化したことは生態系に甚大な影響を及ぼす可能性がある」と分析している。
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