最終処分場、板沢への建設断念 新たな予定地選定へ 長野県諏訪市
諏訪市板沢への最終処分場建設断念を市議会全員協議会に報告する金子ゆかり市長
長野県諏訪市は8日、岡谷市、下諏訪町とつくる湖周行政事務組合で計画するごみ最終処分場建設について、予定地としてきた諏訪市板沢への建設を断念すると明らかにした。計画をめぐっては、辰野町の下流域地区が水源への影響などの懸念から白紙撤回を求めてきた。金子ゆかり市長は「説明や意見交換を続けたが、辰野町行政としても建設反対の姿勢を示されており、交渉はこれ以上困難と判断した」と説明。新たな予定地の選定を進めるとした。
最終処分場の選定を諏訪市が引き受け、2016年10月に板沢に建設すると公表してから丸8年。湖周の最終処分場建設は振り出しに戻った。
事務組合の副組合長でもある金子市長は市議会全員協議会で、4~6月に自身が3度足を運んで、建設に反対する辰野町の建設阻止期成同盟会幹部と話し合いを重ねたと説明。計画地周辺で進めた調査結果を基に交渉し、金銭保証など条件提示も試みたが「受け入れない意向が強く示された」と報告した。
「反対を押し切って進めれば隣り合った辰野町との行政連携に支障をきたす。足踏みがこれ以上続けば、湖周の計画や運営に影響を及ぼすことが考えられる」とし、「苦渋の決断だが、板沢への施設建設を断念する」と表明。板沢区や同盟会、辰野町にも報告したと述べた。
新たな建設予定地の選定に向け、市長は「時間を要すると思われるが、できる限り早期の事業進捗が図れるよう尽力する」と強調。後藤慎二副市長は「(選定に)めどは立っていない」とした上で「諏訪市が引き受けるというのは組合の中での約束。建設しないという選択肢はない」との見解を示した。
組合は20年度、同盟会と辰野町の同意を得て、計画地周辺で地層や地質、地下水流動調査に着手。下流側にある辰野町の水源との間では、地下水を通しやすいとされる安山岩溶岩が広く分布する状況は確認できない-とする結果を示していた。
組合によると、3市町の焼却灰排出量は昨年度実績で約2500トン。現在は年間約1億円をかけて全量の処理を民間に委託している。最終処分場建設後は板沢で半分を、民間で残り半分を処理する計画だった。
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