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長野日報社

岩波其残の情報寄せて 其残翁伝の復元を計画

「其残翁伝」の復元・刊行へ関連資料の提供を呼び掛けている山田さん夫妻

幕末から明治初期にかけて多彩な活動をした諏訪市出身の俳人、岩波其残(1815~94年)と血縁のある諏訪市文出の山田昭彦さん(63)が、大正時代に新聞連載されていた伝記「其残翁伝」の復元・出版を計画している。諏訪地域などで発行していた「信陽新聞」の連載記事で、茅野市出身の俳人小平雪人(1872~1958年)が書いたとされる。妻の貴子さん(57)ととも準備を進めているが不明な点も多く、7月の上梓を前に記事の現物、其残、雪人に関する資料や情報の提供を呼び掛けている。

其残は、俳句や絵画、楽焼など多芸だった。幕末の和田峠での水戸浪士軍と高島・松本藩の合戦を、やぶの中に潜んで描いた絵図は諏訪市文化財に指定されている。40代後半まで妻美智と東北から九州を11年におよび行脚。また其残70歳、美智61歳の時に北信、越後へも旅をしている。

雪人は、其残が全国を行脚した時に描いた画帳「名旧真写」をもとに、其残翁伝を執筆したと考えられている。記事は1922(大正11)年の5~11月に104回掲載されたが、雪人の署名はなく、また、雪人の業績として広く伝わっていない。

山田さん夫妻は、老いても長い距離を歩いた2人の歩みの軽さや健やかさ、コミュニケーション力に注目。現代につながる大切なものが見いだせ、祖先の再考と雪人の業績をたたえるために、3年前から取り組み始めた。

当時の記事は諏訪地域の図書館には保存されていなかったが、諏訪市博物館に寄贈された複製があり、解読を始めた。夫婦で、其残らが訪れた北茨城や京都などを実際に訪ね、伝記に書かれたことを確認。今年5月から、画集も参考に編さんを進めている。

記事の複製は何度も複写されたもので、解読できない部分がある。「歩くことの大切さを実践する其残と美智の姿がわかる。雪人の財産と共に、それぞれ読み取ってもらえ、多くの人に読んでもらえる完成したものにしたい」と広く協力を求めている。

問い合わせは山田さん(電話0266・55・6470)へ。

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