
「射貫もなか」を売り出した、こめらむね製作委の竹内さん(右)と萩原さん

食べ歩きも楽しめる一口サイズの最中
三種町の旧下岩川診療所を拠点に、あきたこまちの地域ブランド「岩川水系米」の米粉を使ってラムネ菓子を作っている県立大の学生グループ「こめらむね製作委」は、新たに最中(もなか)の製造・販売を始めた。あん、から作る最中種(最中皮)とも県内の専門業者から仕入れ、地域の催しに出店し、食べ歩きも意識して串に刺して提供する。代表の竹内大さん(4年)は「あん、最中種とも職人さんの優れた技術によって作られている。そのような魅力が秋田県にあることを最中を通して多くの人に伝えていきたい」と話す。
こめらむね製作委は、いずれも県立大生物資源科学部の竹内さん=大阪市出身=、萩原七佳さん(3年)=宇都宮市出身=で構成。県産原料の土産品として米粉を使ったラムネ菓子「こめらむね」を開発した。レンタルスペースで製造していた時期もあったが、安定した生産体制を築くために昨年9月に旧下岩川診療所を拠点とし、下岩川地区の住民の協力も得ながら製造している。
県内の観光地などで食べ歩きができる商品が少ないと感じていた竹内さんは、仙北市のあん製造業・かどや食品工業、秋田市の最中種製造業・村田屋最中種処との出合いを通じ、最中の製造・販売に乗り出すことを決めた。新型コロナウイルス感染症の拡大や高齢化といった問題を背景に新商品の開発や新規取引などが難しく苦境にあえぐ和菓子業界を応援したい思いもあった。
屋号は「踊餡亭(ようあんてい)」。「地域の催しなどに出店し、種にあんを入れて、しちりんであぶってから提供している」と竹内さん。あんが踊り出すように、丁寧に仕上げる一品を味わってもらいたいとの願いが屋号には込められている。
使用するあんは水飴を一切加えないなど甘さ控えめで小豆の香りを高めているのが特徴。食べ歩きも楽しめるように串で最中を射貫いていることから、商品名は「射貫(いぬき)もなか」。価格は、最中が2個250円、3個350円、4個400円。
竹内さんは「こめらむねの製造を始めた当初から秋田を訪れる人へのおもてなし、秋田のPRを意識してきた。出掛けた先や観光地などでの食べ物の味は記憶に残りやすいと思う。製造に携わる職人さんたちの思いなども食べる人に伝えていきたい」と話している。
5、6日は秋田市の「ILOVE秋田産応援フェスタ」、12~14日は大館市の「本場大館きりたんぽまつり」、19、20日は三種町民祭での出店を予定している。
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