育て友好の証し ブラジル国花「イペー」を植樹
グラウンドにイペーの苗木を植樹する児童代表(8日、白浜町十九渕で)
和歌山県民や県出身者でつくる「県中南米交流協会」(真砂睦代表)は、県内からの移住者が多いブラジルをもっと身近に感じてもらおうと、ブラジルの国花である「イペー」を田辺市や周辺の公園、学校などに植樹した。会員らはブラジルと和歌山県の友好のシンボルとなるよう期待している。
県内からの海外移民は全国で6番目に多く、とりわけブラジルへは紀南地方から大勢が移民した。戦後まもなくは田辺地方からが多かった。 昨年10月にブラジル・サンパウロで和歌山県ブラジル移住100周年記念式典が開かれた際、真砂代表が友好のシンボルにと県内でイペーを植樹することを提案した。 イペーは、ノウゼンカズラ科の落葉高木で、ブラジルでは春に鮮やかな花を咲かせる。ピンクや紫、白色もあるが、黄色がポピュラーで「ブラジルの黄色い桜」と呼ばれる。 日本国内では、かつて南米への移住基地だった神戸市の「海外移住と文化の交流センター」に植えられているほか、鹿児島県を拠点に活動する専門家グループ「イペー研究会」のメンバーが全国各地で試験栽培している。一般的なイペーは寒さに弱いが、同グループは寒さに強い品種を選別して育てており、交流協会はその品種の苗木を譲ってもらった。 苗木は高さ1・5メートルで、4月中に白浜町十九渕の富田小学校、田辺市神子浜1丁目の東陽中学校、同市中三栖の衣笠中学校など8カ所で計13本植えた。 富田小は、ブラジル和歌山県人会の初代会長でブラジル農業の振興に貢献した竹中儀助さん(1889~1965)の母校。東陽中は、ブラジルで持続的な農業を目指すアグロフォレストリー(森林農業)を進めた坂口陞さん(1933~2007)の母校。衣笠中は、戦後に三栖地域からブラジルへの移住が多かったことから選ばれた。 このほか植樹したのは、田辺市たきない町の新庄総合公園、白浜町の平草原公園や南方熊楠記念館、上富田町岩田の県福祉事業団、協会副代表の冨家力さん(69)が田辺市上三栖で経営する農園。 いずれも3年ほどたてば、春にちらほらと咲くとみられる。今後も希望があれば植えたいという。 真砂代表(77)は「和歌山県から移住して100年がたった。これまでさまざまな交流があった。これからの100年に向けて、この木が友好のシンボルになればと思う」と話している。
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