菅野氏の志受け継ぐ 没後100年で慰霊式 新得

菅野氏の冥福を祈った出席者。前列中央右が浜田町長、同左は林会長・主筆
大正時代に北海道開発に力を尽くした元道議会議員の菅野光民氏(享年41)が新得町内でクマに襲われ非業の死を遂げてから、9日で100年。これに先立ち、8日午前9時から、町内の殉難之碑(トムラウシニペソツ)前で慰霊式が営まれた。町や町議会、十勝毎日新聞社の関係者、地域住民らが黙とうし、冥福を祈った。
菅野氏は岡山県出身。小樽新聞帯広支局長から1913年に道議会議員初当選。15年には十勝日日新聞社を創設した。18年、北海道の開発上不可欠な事業として、十勝川上流未開発地域の資源探査のために訪れたトムラウシ山中で、手負いのクマに襲われ亡くなった。同社理事で友人でもあった林豊洲氏は、菅野氏の遺志を継ぎ、翌年に十勝毎日新聞を創刊した。
慰霊式には浜田正利町長と菊地康雄町議会議長、豊洲氏の孫で十勝毎日新聞社の林光繁会長・主筆ら30人が出席。浜田町長は式辞で「菅野氏の志を受け継ぎながら、故郷新得が今まで以上に住みやすくなるよう情熱を結集する」と述べた。
林会長・主筆は、十勝毎日新聞社も来年9月27日に100年を迎えることに触れ、「菅野氏が作った新聞社が礎になっている」と改めて強調。「十勝を開発する困難さや、住民の豊かさのために勇気を持って挑戦していく姿が、この日にあったことを心に刻む。私たち十勝の住民、そして十勝毎日新聞社は、地域の発展と住民の豊かさ追求のために、全力を尽くしていくことを誓う」とあいさつした。出席者は、道道忠別清水線沿いに立つ殉難之碑に献花した。
関連記事
落ちアユ狙う伝統漁法 「せぎ漁」始まる
和歌山県田辺市本宮町などを流れる熊野川やその支流で、産卵のために川を下る「落ちアユ」を狙う伝統漁法「せぎ漁」が始まっている。本宮町川湯を流れる大塔川では25日、アユの群れをめがけて網を投げる地...
原因究明し資源回復へ 「調査研究会」を発足 「鵡川ししゃも」記録的不漁受け
むかわ町のブランド「鵡川ししゃも」の記録的不漁を受け、町や鵡川漁業協同組合、道内調査研究機関などで構成する「鵡川ししゃも資源再生調査研究会」が25日、発足した。昨年秋から町内で稼働するししゃもふ化...
好調!!庄農うどん大作戦 4週で1160食注文 「おいしいね」の声に喜び実感 庄内..
鶴岡市の県立庄内農業高校(坂井孝朗校長)の生徒が取り組んでいる「庄農うどん大作戦!Season5」が好調だ。今年も今月初めに藤島地域の飲食店9店舗で生徒が作った「庄農うどん」の提供が始まったが、客...
埴生小・中で稲刈り始まる【山陽小野田】
埴生小・中(東原秀一校長)に隣接する学習田「ハーブねっと農園」で25日、稲刈り体験が始まった。午前中は小学5年生27人、午後は中学1年生26人が黄色く色づいたもち米品種マンゲツモチの稲を鎌で...