「はやぶさ」採取の小惑星試料 茅野市八ケ岳総合博物館で長野県内初の展示

会場で展示している小惑星「りゅうぐう」の試料。モニターで拡大像を見ることもできる
長野県の茅野市八ケ岳総合博物館で、日本の小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」が採取した小惑星「イトカワ」と「りゅうぐう」の実物の試料を展示している。りゅうぐうの試料の展示は県内初。試料各1点を同時展示し、小惑星の特徴や最新の研究に理解を深め、宇宙への関心を広げてもらう。14日まで。
日本プラネタリウム協議会公認「プラネタリウム100周年記念事業」として、同事業実行委員会などの主催で全国を巡回する展示会。会場では実物試料のほか、小惑星探査の意義や長野県との関わりなどを解説したパネルを展示している。
イトカワの試料は2010年、はやぶさが地球に持ち帰った。展示したのは肉眼では見ることができない直径51・1マイクロメートルの「かんらん石」の粒子。顕微鏡で拡大してモニターに映し出していて、透明な鉱物が確認できる。りゅうぐうの試料は20年に、はやぶさ2が持ち帰ったもので、直径2・87ミリの大きさ。肉眼でも炭素などが含まれた黒色の粒子を見ることができる。
二つの試料を並べることで、岩石質のS型小惑星であるイトカワと、炭素を多く含むC型小惑星のりゅうぐうとの違いが理解できる。公立諏訪東京理科大学の学生が作った二つの小惑星の模型も展示し、拡張現実(AR)技術で探査機の試料採取などが体験できる。
同館学芸員の渡辺真由子さんは「実物の試料を見ることができる貴重な機会」とし、「試料の研究はこれから本格的に進む。最新の研究を知り関心を持ってほしい」と来館を呼び掛けている。
7日休館。問い合わせは同館(電話0266・73・0300)へ。
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