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長野日報社

車いすで挑む八ケ岳 長野県茅野市の加藤さん硫黄岳登山

車いすを押したり引いたりしながら山を登るプロジェクトのメンバーたち。互いに声掛けをして石や段差を乗り越えた(24日午前9時41分)

 車いす利用者の自分が八ケ岳に登り、難病や生活上の困難を抱える人たちに「大切なことをあきらめない心」を伝えたい-。長野県茅野市中大塩の加藤幸久さん(67)は24日から、アウトドア用車いす「HIPPO(ヒッポ)」に乗り、約20人のパーティーで八ケ岳連峰硫黄岳(標高2760メートル)への登山に挑戦している。総距離9.8キロ、2泊3日の行程。初日はオーレン小屋に宿泊して体を休め、翌日の登頂を目指している。

 加藤さんは元々、熱心な登山愛好家で、八ケ岳にもよく登っていた。しかし、52歳の時に手足に力が入らなくなるギラン・バレー症候群を発症。「一時期は自暴自棄になり、山に登りたい気持ちも失いかけていた」と加藤さん。妻のさゆりさん(72)をはじめとした周囲のサポートがあり、心を持ち直したという。

 その後、山への憧憬が再燃し、2016年ごろから計画を構想。昨年5月に車いすでの登山を目指す「チャレンジ絆プロジェクト」を設立し、メンバーと賛同者を募った。人の輪が広がるように次第にメンバーが増えたといい、今回の山行には加藤さんの介護や看護を担当する「ヘルスサポートチーム」も同行している。

 プロジェクトメンバーの一人で、現在は山小屋でアルバイトをしている加藤岳さん(22)=南箕輪村=は、茅野市玉川のコミュニティスペース「荒神の古民家」のイベントで幸久さんと知り合った。「相当な”山好き”と分かったが、正直言えば彼の計画は最初は無謀と思った」としながらも「とにかく熱意があり、何とかして夢をかなえる協力ができないかと強く心を動かされた」と語る。

 その後、山の選定や車いすの改良、実験登山などを重ねて、計画を現実的な形に調整。活動資金はクラウドファンディングの大手プラットフォーム「CAMPFIRE」上で募り、目標金額の150万円に達した。支援金の一部は今回の経験を生かして今後実施する予定の「山岳ユニバーサルツーリズム」の活動に充てる構想だ。

 登山当日は午前9時ごろに夏沢鉱泉を出発。道中は和気あいあいとした雰囲気で、車いすを押したり、引いたりするする「HIPPOチーム」が、声掛けをしながら石や段差を乗り越え、交代制で歩を進めた。

 約20年ぶりに目にする懐かしの景色に幸久さんは目を細め、「若い頃はここを通るといつも写真を撮っていた」などと振り返りながら、こけむした小川でシャッターを切る一幕もあった。

 岳さんからプロジェクトを紹介され、「HIPPOチーム」の一員として参加した信州大学農学部4年の近藤梨沙さん(23)は、活動を通じて車いす利用者の視点の一端が理解できたとし、「物理的な障害を取り払うバリアフリーも重要だが、皆で手を取り合い、工夫して乗り越えて行く『バリアパス』の精神も大事にしたい」と語った。

 幸久さんは明日の登頂に向け「夢を形にする時が来た。支援してくれた人たち全員と登るつもりで、笑顔で達成したい」と意気込んでいた。

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