安全航海と豊漁願い日本海へ 酒田港で中型イカ釣り船団出航式
日本海を回遊するスルメイカを追う中型イカ釣り船団の出航式が6日、酒田市の酒田港袖岡埠頭(ふとう)で行われ、乗組員たちが安全航海・豊漁への思いを新たに、来年2月ごろまで約8カ月間にわたる操業に出航した。
150トン級の船で船団を組み、日本海中央部の好漁場・大和堆を中心に、島根県沖からオホーツク海まで操業、「船凍イカ」として水揚げする。本県関係の船は北海道や石川県の船と共に13隻で山形県船友漁撈長会(山形船団)を組織し、全国屈指の水揚げを誇っている。大半の船の漁撈長が酒田市飛島の出身だ。
出航式は、酒田港への水揚げの約8割の約17億円(2016年度)がスルメイカという「いかのまち酒田」をアピールし、漁業振興につなげようと、市と県漁業協同組合が中心になって2006年から毎年この時期に実施。今年は船団のうち9隻が酒田港に集結。午前10時から善寳寺(鶴岡市)の僧侶による航海安全の祈祷(きとう)に続き、式典には乗組員約90人と、若松正俊副知事や小野幸作県議会副議長らの来賓を合わせ約130人が出席した。
主催者あいさつで、県漁協の本間昭志組合長は「昨年は北朝鮮のミサイル発射や違法操業の問題があり、県や国に対策を要請した。まずは安全・安心、円滑な操業に努力を」、酒田市の矢口明子副市長は「酒田船凍イカの商標登録でブランド化する準備を進めている。体に気を付けたくさんの水揚げを」と激励した。
来賓祝辞に続き、山形船団の佐藤長悦郎船団長(68)=第38正徳丸漁撈長、鶴岡市小波渡=が「酒田港は江戸時代から北前船で栄えてきた。私たちが水揚げすることで、以前の活気を取り戻すことに貢献できる。各船の大漁と航海安全を祈る」と決意を述べた。
その後、酒田舞娘(まいこ)が佐藤船団長に花束を贈呈し、「花笠音頭」などを舞い、花を添えた。船団は正午ごろ、家族らに見送られ出航した。まずは能登沖に行き、様子を見ながら操業場所を変えていくという。

安全航海・豊漁への決意を述べた佐藤船団長(右前)。後ろは乗組員たち
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