蒲郡市内の繊維関連企業21社で働く若手社員31人は、約1年前から三河繊維や蒲郡らしさを取り入れたアパレル製品の制作に取り組んできた。7日、埼玉県の「さいたまスーパーアリーナ」で開かれた国内最大級のファッションショー「東京ガールズコレクション(TGC)」の中のステージ名「MIKAWA PALETTE」で8衣装が披露された。
蒲郡らしさなどを取り入れた11衣装=蒲郡商工会議所で
昨年6月、蒲郡市がTGCを主催する「W TOKYO」(東京都)との間に、地方創生に関する連携協定を結び、地場産業の繊維を一緒になって盛り上げることにした。この中で繊維会社の若手を中心としたB~Dの3チームが、新製品を開発することになった。
各チームはデザインを仕事にしている人をはじめ、普段は事務職や営業職として働く人などで構成された。市内の繊維会社やTGCを見学したほか、毎週1~2回集まって、蒲郡らしい要素を取り入れた衣装デザイン案を考えたり衣装を仕上げていくために話し合ったりして、制作に取り組んだ。アパレルの専門家やプロのスタイリストの意見を参考に、11衣装を作り上げた。
Bチームは地域ブランドの三河木綿を取り入れたワンピースとカジュアル系のアウター▽Cチームは蒲郡の自然や文化をテーマに、三河湾や「形原温泉あじさいの里」でライトアップされたアジサイ、市指定無形民俗文化財「三谷祭」を表現した衣装▽Dチームは蒲郡ミカンをイメージし、オレンジ色を基調にしたかわいらしいワンピースやヨットハーバーを意識した衣装―を考えた。
この1年を振り返り、Bチームリーダーの岡田理沙さん(27)は「市内の繊維企業がいろいろやってることを知った。今後の可能性も感じることができた」。Cチームリーダーの田中杏実さん(26)は「ゼロからスタートする難しさを実感した。デザインなどの壁を乗り越え、形にすることができた」。Dチームリーダーの伊與田美夕さん(23)は「思い描いた素材や色が合わず大変だったが、多くの人と交流できていろんなことが知れて良かった」と話した。
1年間の取り組みを振り返る岡田さん、伊與田さん、田中さん(左から)
8月2日、蒲郡商工会議所で関係者向けのお披露目会を開いた。10~20代の市民11人がモデルとなり、各チームの衣装を身に付けてランウエーを歩いた。各チームは関係者にデザインに対する思い、こだわった点などを紹介した。
TGCではメンバーが見守る中、モデルの生見愛瑠さんや女優の岡崎紗絵さん、元SKEでタレントの須田亜香里さん、歌手のJIMMYさんとWEESAさんら愛知出身の5人を含む8人の着用で披露され、会場が盛り上がった。
リーダーの3人は「蒲郡の新しい第1歩となる日になった。どのチームも蒲郡らしさを全面に出してデザインしてきた。TGCを通して蒲郡の良さをもっと知ってもらえればうれしい」と笑顔で述べた。
制作した衣装は、11月15~16日に蒲郡商工会議所で開催する三河産地の繊維総合展示会「テックスビジョン」で展示する予定。
意見を出し合って制作に取り組んだ(提供)
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