時間外労働に上限規制導入 働き方改革の動き活発化
働き方改革関連法案が31日の衆議院本会議を通過するなど働き方改革の動きが活発化する中、全国の各労働基準監督署は相談支援窓口を設置し、法令に関する知識や労務管理体制について、企業側への周知を図っている。庄内労働基準監督署(鶴岡市大塚町)では「残業時間の上限規制に加え、罰則を盛り込むなど、企業側にとっては『知らずにいた』では済まされない。取り締まり案件ではなく、あくまで相談として受け付けている。まずは電話で相談を」と呼び掛けている。
同法案のうち大きな改革の一つが、時間外労働の上限規制導入。月45時間、年360時間の上限を原則とし、臨時的で特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満、複数月平均80時間を上限に設定。違反した企業側に罰則を科し実効性を担保する。
現状では、納期直前などの特別な事情がある場合、労使の合意により限度時間(月45時間、年360時間など)を超えても「一定の時間」まで労働時間を延長でき、残業時間を実質青天井で伸ばすことが可能となっていることから、法令関連の知識や人手の不足、取引先都合などにより労働時間のコントロールが困難な地方の中小企業にとって影響は大きい。
4月1日から全国の各労基署でそれぞれ設けた相談支援窓口では、企業側の「相談をきっかけに取り締まり対象になるのでは」との懸念に配慮し、労基署の職員が「労働時間相談・支援班」を編成し、取り締まり案件にはしないとの前提で対応している。
▽労働時間制度全般▽変形労働時間制などの導入▽時間外労働の上限設定などに取り組む際の助成金―といった相談や、企業側の「残業時間を減らしたい」「有給休暇をうまく使いたい」といった要望や悩みにも解決策を提案する。
庄内労基署によると、管内における労働相談状況は、労使ともに相談件数が近年増加しており、特に使用者からの相談は昨年度で439件と、前年比49・3%増と顕著。内容は「変形労働時間」「時間外労働」「休日労働」の法令・制度の問い合わせが多いという。

庄内労基署で設置している相談支援窓口。匿名や個室での対応も可能という
関連記事
待ってた!初滑り 新得・サホロスキー場開業 管内で最も早く
新得町の十勝サホロリゾートスキー場は3日、管内のトップを切り今季の営業を始めた。リフト1基が稼働し、待ちわびたスキーヤーやスノーボーダーが久しぶりの雪の感触を楽しんだ。 オープンしたのは、...
「バスケの街」で熱戦 初のWリーグ能代大会
バスケットボール女子・Wリーグの能代大会が2日、能代市総合体育館で開幕した。プレステージ・インターナショナル・アランマーレ(アランマーレ秋田)が静岡県のシャンソン化粧品シャンソンVマジックと対戦し...
サンゴの島を実感! 志戸桶集落で石垣修復体験 喜界島
鹿児島県喜界島の喜界町志戸桶集落で2日、サンゴの石垣修復体験が行われた。参加者約20人が額の汗をぬぐいながら石垣の修復作業。島の成り立ちとは切り離せないサンゴ礁文化に触れながら、サンゴの島を実...
幽玄の世界、情感豊かに 長野県箕輪町で古田人形芝居公演
長野県箕輪町上古田で300年近く受け継がれている県選択無形民俗文化財「古田人形芝居」の定期公演(町教育委員会主催)が2日、町文化センターで開かれた。住民有志らでつくる古田人形芝居保存会と箕輪...