中学校の垣根越え研さん 厚狭卓球クラブ、部活動の地域移行先駆け【山陽小野田】

中学校部活動の地域連携・地域移行をめぐり、山陽小野田市は2026年度からの休日活動での地域移行を目指して協議を進めている。「地域の子どもたちを地域で育てよう」の共通認識の下、学校や市スポーツ協会、地域団体と共に持続可能な部活動と学校の働き方改革の両立を実現できる体制づくりを模索。今月をめどに全6校の生徒から意見を聞き、9月中には地域移行に関する方針を示す予定。
地域移行は、学校が主体だった部活動を新たに地域が主体となって活動する地域クラブ活動に移行すること。各校の生徒が希望する活動場所に集まる方法が想定される。
この新たな地域クラブに先駆けた運営を行っているのが厚狭卓球クラブだ。厚狭中をメインに厚狭地区複合施設や竜王中の体育館で、平日の午後7~9時に活動。厚狭だけではなく高千帆、竜王、厚南(宇部市)などの生徒が集まり、多い日は30人ほどが練習に打ち込んでいる。
厚狭中3年の光永笑顔(にこ)さんは卓球部で汗を流した後に参加。「他校の子と練習すると、部活では気付けなかった苦手な部分に打ち込める」と技術に磨きを掛ける。厚南中3年の三浦愛乃春(なのは)さんは、友人の母親に勧められて5月に通い始めた。「強い選手ばかりで毎回刺激を受けている。校外に活動場所があるのはうれしい」と目を輝かせる。
クラブの創設は19年。厚狭中卓球部の技術向上になればと、校外にも活動場所を求めたのがきっかけだったという。子どもや保護者の紹介で「強い選手と練習したい」と考える他校の選手が集まるようになり、卓球部が無い高校生や保護者と一緒に来た小学生も共に練習するまでに広がった。
クラブ創設当時の卓球部顧問で、現在は美祢市の中学校に勤めている水尾孝さんは、金銭的な自己負担など部活動の指導では感じなかった課題を指摘しつつも「このクラブの存在は、幅広い世代にとっての地域移行になるかも」と期待している。
市内では、生徒数の減少などにより、21年度に厚陽で女子バレーボール部が休部。小野田では22年度に剣道部が廃部となり、ボランティア部と家庭科部が統合した。昨年度は小野田と竜王のサッカー部、小野田と高千帆の女子バレー部が合同(高千帆単独もあり)となるなど、今年度の実動数は計56部となっている。
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