南山大学経営学部の川北眞紀子教授のゼミに所属する3年生6人は、田原市保美町の青果生産販売「マーコ」が伊良湖温泉水で育てたバナナを使ったせんべいなどの商品開発に挑戦中だ。今年度中に完成を目指す。
バナナを使った商品開発に取り組む南山大学生ら=富士見屋で
ゼミは「商品企画」「マーケティング」を指導している。企業とタイアップした商品開発をはじめ、東三河でスーパーを展開する企業との産学連携プロジェクトなどに取り組んできた。
6人は4月から一緒に取り組んでくれる企業を探していた。5月、「バナナの知名度を上げたい」と模索するマーコ青果事業部の青山大介さんと出会い、タッグを組むことにした。
マーコは2021年から、塩分が低くミネラルが豊富で手軽に手に入る伊良湖温泉を活用した栽培に取り組んでいる。温泉水で糖度が高くなったバナナを生産する。
商品化に向けて田原市の土産事情を調べる中で、アサリを使ったせんべいを置いてある店が多いことに注目し、バナナとせんべいを組み合わせた商品を開発することにした。青山さんを通じて西尾市一色町でえびせんべいなどを製造販売する「富士見屋」の山岡孝典社長に協力を依頼した。
6月、マーコを訪れた6人は青山さんから温泉水を使うバナナとイチゴの栽培の説明を受けたほか、山岡社長と一緒にせんべいを作り、試食しながら課題や改善点などを見つけた。田原市の道の駅に赴き、利用者にアンケート調査をし、田原に対するイメージや土産に対するニーズなどを聞いた。
開発中のせんべいを持つ学生
今月20日には富士見屋で、6月で分かったことを参考に、せんべいを作って試食し、商品化に向けて検討した。ゼミ生の西山弥玖さんと奥山託未さん、今井うららさんは「無農薬で作られたバナナ本来の良さを残しながら、もっとバナナが感じられる味を作っていきたい」と話した。また「アンケート調査やニーズの聞き取りで、せんべい以外にプリンやバウムクーヘンなどのにも範囲を広げて商品開発に挑戦していきます」と述べた。
6月はマーコの農園で温泉水を使った栽培について学んだ(提供)
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