ドローンで農薬散布 作業時間が大幅減 和歌山県白浜町の水田

農業用ドローンで田んぼに農薬を散布する鈴木隆文さん(右)と青木一郎さん=和歌山県白浜町内ノ川で
和歌山県白浜町内ノ川の鈴木隆文さん(76)と同町栄の青木一郎さん(75)は、農業用ドローン(小型無人機)を使って自分の田んぼに農薬を散布している。作業時間、農薬使用量ともに大幅に減っており、「とても助かる」と話している。
2人はドローンによる農薬散布を始めて4年目。ドローン教室で資格を取り、1台のドローンを共同で購入した。それぞれの田んぼ合わせて約4ヘクタールで、カメムシをはじめとする害虫駆除のための農薬などを散布している。
散布作業は2人一組で取り組むルールとなっており、1人はドローンの操作、もう1人は手に旗を持ってナビゲーターを務める。
散布するのは7~8月に計3回。青木さんは10月上旬に土作りのためにレンゲソウの種もドローンで散布している。
ドローンを使う以前、鈴木さんと青木さんはそれぞれ妻と2人がかりで、ホースで地上から農薬を散布していた。2日で計16時間の作業を計3回していた。ドローンを使うことで、1日3時間の作業、計3回で済むようになった。
さらに農薬を無駄に使用せずに済むようになったことで、使用量が5分の1に減った。
今年の散布作業は3日に始めた。鈴木さんがドローンを操作し、約2メートルの高さから農薬を散布した。ドローンはほとんど自動で飛んでいるが、誤差が出ることから、ナビゲーターの青木さんが、周囲の建物、電柱などに衝突しないよう旗で合図を送った。今のところ、事故を起こしたことはないという。
町農林水産課によると、町内ではドローンを使って農薬を散布している農家は鈴木さん、青木さんを含め4人。
ドローンを導入するには、資格取得やドローン購入などの初期投資がかかるが、鈴木さんは「おかげで肉体的にとても楽になった」、青木さんは「夏の炎天下での作業なので、時間短縮はとても助かる」と話していた。
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