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日本製紙勇払、紙生産停止 2020年1月、ケミカル部門は継続

洋紙生産から撤退する日本製紙北海道工場勇払事業所(提供)

 日本製紙(本社東京)は28日、国内の工場、事業所の3カ所で洋紙生産を2019年3月から順次撤退、縮小すると発表した。道内では北海道工場勇払事業所=苫小牧市勇払=が20年1月に新聞用紙など洋紙生産ラインを完全に停止。釧路工場=釧路市=も19年7月に縮小する。勇払事業所はケミカル部門の継続と、21年度導入を検討しているバイオマス発電など新規事業の拠点化を目指す。紙需要の減退が進む中、グループ全体の業態転換で収益性を高める体制を構築する方針だが、勇払で長く生産を続けてきた同社の主力部門の撤退は地元経済などに影響を与えそうだ。

 洋紙事業から完全撤退するのは勇払事業所、富士工場(静岡県富士市)の2カ所。釧路工場は生産マシンの抄紙機を1台減らして2台体制に縮小する。同社は昨年も秋田工場(秋田県秋田市)と石巻工場(宮城県石巻市)の2工場で塗工紙生産から撤退。洋紙生産量は全体で現在年間430万トンに上るが、今回の生産撤退分を含めた見直しにより350万トン規模に縮小する。

 生産体制の見直しにより、19年3月期に約200億円の特別損失を計上。純損益は180億円の赤字に転落する見込み。一方、今後3年間で110億円程度の営業利益改善効果が見込めるという。

 洋紙事業の縮小は、国内需要の減少や古紙など原燃料価格の上昇などが要因。新聞や雑誌など紙媒体の需要低迷に加え、ICT(情報通信技術)化の進展で企業などのペーパーレス化が進み、生産体制の再構築による収支改善が必要としている。勇払事業所は、主力の新聞用紙や印刷用紙などの洋紙を年間約25万3000トン生産できる能力を持つが、近年の操業率は7割程度に落ち込んでいた。

 勇払事業所は20年1月に4台の抄紙機やパルプ設備などの各設備を停止するが、紙生産自体は19年12月末に終了する予定。一方、食品分野などに使われるセルロースパウダー生産のケミカル部門は続けるほか、構内に木質系バイオマス発電所を整備して21年度の稼働を目指す。この他の新規事業も検討する。

 釧路工場は抄紙機3台のうち1台を19年7月に稼働を停止。富士工場は19年3月から9月にかけて3台の抄紙機を順次停止する。

 勇払事業所の正社員約240人については、国内工場などへの配置転換で雇用を維持。バイオマス発電部門や新規事業部門への配置も検討する。協力会社の約260人に関しては今後検討する。

 28日に苫小牧市内で記者会見した飯塚匡信北海道工場長は、白老や旭川など各事業所や他工場への配置転換について「定年など退職社員の減少分を補う形での配置を想定している」と説明。また、「勇払事業所では燃料の受け入れや払い出し、設備メンテナンスなどで長く地域と関わりがあった。年間約23万トンの紙生産が止まることで地域に大きな影響を与え、大変申し訳ない思いだ」などと語った。

日本製紙北海道工場勇払事業所の歩み

1940年 大日本再生製紙設立

  43年 工場が完成し操業開始

  45年 国策パルプ工業と合併、国策パルプ工業勇払工場に改称

  48年 戦後の再建計画で丸鋼抄紙機運転開始

  52年 洋紙用2号マシン運転開始

  56年 4号マシン運転開始

  65年 コート紙製造設備運転開始

  71年 新規パルプ製造設備の運転開始

  72年 山陽パルプと合併、山陽国策パルプ勇払工場に改称

  79年 5号マシン運転開始

  90年 新聞用紙6号マシン運転開始

  93年 十條製紙と合併、日本製紙勇払工場に改称

2003年 大昭和製紙と合併、新生・日本製紙スタート

  10年 日本製紙北海道工場が誕生、勇払工場は勇払事業所に

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