県内初の海底清掃 田原・伊良湖港
公益財団法人「日本釣振興会県支部」は29日、「第1回伊良湖港水中清掃」を田原市伊良湖で開いた。県内では初めての取り組みで、ダイバーが海底のごみを拾い集めた。今後も継続する方針。

海中に入って活動するダイバー=伊良湖港で
振興会は水産資源の保護、釣り場環境の整備保全、釣りに関する知識の普及と啓発に取り組んでいる。今年はNPO「中部日本潜水連盟」や、ボランティア市民団体「海をつくる会」のダイバーらに協力を呼び掛けた。海をつくる会は国内各地ほかセブ島などで年約30回の清掃活動をしているが、県内では初めて。
参加者は陸上から手伝うスタッフと一緒に伊良湖港内の海底に沈んだごみを拾い集めた。ダイバーはペアで海に入り、大きなごみは一緒に持ち上げ、陸上や監視船のスタッフにロープを求めて回収した。
ごみは船の緩衝材として使われていたと思われる古タイヤが多かった。壊れた漁具や釣具、バーベキューの機材もあった。海草や貝類がこびりついているものや、新品同然の釣具のパッケージなどのプラスチックごみも見つかった。重機のものと思われる直径約3㍍のタイヤもあった。

引き揚げられた古タイヤなどのごみ
海をつくる会のダイバーは多くが伊良湖で潜るのは初めてだったという。メンバーは「水質が良く見やすかった。続けていきたい」と語った。 振興会の高橋英二支部長は伊良湖の海を評価し「海に関わっている人が皆協力していきたい。自然の大切さと、それを守っていくという気持ちを育んでほしい」と話した。

海底のごみを拾い集めるダイバー(提供)
海岸のごみ拾いや稚魚放流
また28~29日は「第2回伊良湖岬ビーチクリーン」があった。恋路ケ浜やココナッツビーチでの海岸清掃や稚魚放流などに取り組んだ。
28日は恋路ケ浜での清掃活動にスタッフと一般の計約40人が参加し、ごみを拾い集めた。また伊良湖岬、中山、小中山の3保育園の園児と保護者ら計100人が、ヒラメ3000匹、メバル1000匹をココナッツビーチや伊良湖港から海に放った。
海に落ちた時の対処を学ぶ海難事故講座もあった。さまざまな救助法の解説のほか、助ける方も落ちた方も慌てないことが大切だと説いた。潜水連盟の木下晃さんは「水中の危険を学びながら、水に親しんでほしい」と話した。
活動の様子は振興会のホームページで近日中に動画で公開するという。
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