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視覚障害者との「絆」を大切に ブラインドマラソン伴走者 帯広出身栗山さん

 十勝で生まれ、赤ちゃんのときの縁を大切に守り、人のために役立てている人がいる。視覚障害のある人がマラソン大会に参加するための伴走者として活動する、札幌市の栗山るり子さん(60)だ。札幌の市民グループ「伴走フレンドリー」に加入して視覚障害者と共に各地の大会に参加し、ガイドロープの「絆」をゴールに運んでいる。

体を思い切り動かして走る喜びを共有するブラインドマラソン。的場さん(左)も栗山さん(右)も、自然と笑顔になる

 栗山さんは帯広東小、帯広第六中(現在は閉校)、帯広柏葉、札幌の藤女子短期大学(同)卒。現在は札幌で開業医の夫の仕事をサポートしている。

 視覚障害のある人が挑戦するブラインドマラソン。その伴走者になったのは、30歳ごろに母親から聞いた、出生時の出来事がきっかけだ。

 帯広市内の坂野産科婦人科(2012年分娩=ぶんべん=の取り扱い中止)で生まれたとき、早産のため体重は1800グラムだった。保育器に入ることになったが空きはなく、男の赤ちゃんと同じ保育器に一緒に寝かせられた。その子は未熟児網膜症を患い、生まれたときから視覚障害があったという。

 「同じ保育器のなかで、しばらく一緒にいた」という話に不思議な縁を感じた。周囲に男の子の消息を尋ねると、「成長する前に病気で亡くなったようだ」と聞かされた。「供養ではないが、いつか視覚障害のある人のために何かしたい」と思いを心に秘めた。

 その思いが結実したのは48歳のときだ。初挑戦したフルマラソンで思いがけず、3時間32分の好タイムを記録。友人から「伴走フレンドリー」に参加しないかと誘われた。

 ブラインドマラソンは「絆」と呼ばれるロープを視覚障害者と伴走者が握り、それを頼りにレースに参加する。伴走者は競技者の目となって方向を伝えたり、障害物をよけたりすることが役目だ。視覚障害はさまざまだが、多くの人は、完走すると大きな達成感とともに笑顔をはじけさせる。それを分かち合う魅力に、伴走者の活動を始めてすぐに取り付かれていった。

 伴走フレンドリーに参加して12年目になる。今月も2日に開催された第22回利尻島一周悠遊覧人Gを完走してきた。次は札幌在住の的場典子さん(68)と共に、8月25日の北海道マラソンに出場するための練習を重ねている。

 進行性の病気でだんだんと視力を失う不安に苦しんできた的場さんだが、「60歳を過ぎてからマラソンに出合って、嫌なことを考えずに済むようになった」。真駒内公園での練習でも、走ると的場さんは笑顔となり、栗山さんもそんなパートナーの姿を見て笑みがこぼれる。

 「伴走をやっているおかげで、かけがえのない出会いに恵まれた。この縁を大切にして、少なくとも75歳まで走り続けたい」。一緒に保育器に入った男の子もきっと喜んでくれている。

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