子どもの夜間・休日診療オンラインで 7月に管内初導入 上士幌
上士幌町は7月1日、実証実験として、東京の民間医療サービス会社と連携し、小児科の夜間・休日オンライン診療を始める。町によると、管内では初の取り組みで、「子どもを連れて移動する必要がないので、通院負担の軽減につながる」(保健福祉課)とする。実証実験は2025年3月31日まで。
公立病院がない同町では、社会医療法人北斗(帯広、鎌田一理事長)が運営する「上士幌クリニック」が、24時間態勢で365日診療で、子どものかぜや軽症のけがなどにも対応しているが、小児科専門医はいない状況だ。このため、子どもを持つ親は、帯広市内の休日・夜間救急当番医などに通院させるケースも多く、受診頻度が高まるに連れ、移動距離や時間面などで負担となっていた。
町は、オンライン診療を進めることで、こうした負担を減らすほか、病気への早期対応と重症化予防を強化していく考え。医療相談をしやすくすることで、救急外来を減らす効果も期待できるため、同クリニックの負担軽減にもつなげたいとする。
実証実験を担う「ファストドクター」(東京)は、全国約3500の医療機関と提携し、夜間・休日の往診医療やオンライン診療を展開。すでに、旭川市など全国で30以上の自治体と連携している。
同町でのオンライン診療は、事前に保険証や支払い方法の登録が必要。受診時は専用ページで受け付け、順番になると同社提携医師からメールが届く。スマートフォンなどのビデオ通話を使い、相談と診察を受けられる。
発熱、嘔吐(おうと)、頭痛、せき、下痢、湿疹などの症状が対象で、慢性期症状は対象外。薬は指定した薬局で、薬局の営業時間内に受け取れる。
町内在住の0~18歳未満で、子ども医療費助成制度適用者が条件。同社は受診1件当たりのシステム利用料を330円としているが、実証期間中は無料。
町保健福祉課の岸美香主幹は、「オンライン診療を多くの人に知ってもらうことで、地域住民や母親らの不安軽減につなげたい」と説明。利用者にアンケートも行い、25年度以降にオンライン診療を実施するかどうか決める予定だ。
利用時間は月-金曜が午後6時~翌午前9時、土曜は正午~翌午前9時、日曜・祝日は午前9時~翌午前9時。問い合わせは同課(01564・2・4128)へ。
関連記事
大川小へ155個の紙灯籠 鵡川高 生徒と教職員が祈り込め
むかわ町の鵡川高校(志鎌正人校長)は、宮城県石巻市の一般社団法人Team大川未来を拓くネットワークが8月に実施する「おかえりプロジェクト」に協力するため、紙灯籠155個を製作した。東日本大震災で...
若者の県外流出に歯止めを 高校生対象に地元企業見学ツアー 酒田市企画
人口減少の一因である若者の県外流出に歯止めをかけようと、高校生を対象に酒田市が企画した企業見学ツアーが9日、市内一円で行われ、同市の酒田光陵高校(藤田雅彦校長)の普通・商業両科で学ぶ2年生計129人が...
観覧車以外の遊具の運転再開 おびひろ動物園
おびひろ動物園(渡邊誠克園長)で11日、観覧車を除いた遊具の運行が再開した。午前中から親子連れが来園し、久しぶりに動く豆汽車やゴーカートの走行音が園内に響いた。 同園では、観覧車点検中に...
児童が住民に英語指導 吉部小で特別プロジェクト【宇部】
吉部小(河村正則校長)で10日、児童たちが先生となって教壇に立つ特別プロジェクトが行われた。5、6年生合わせて7人が、古里の魅力を伝えるための英語表現を地域住民9人に熱心に指導した。 全国...