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沖永良部島で生血輸血 血液製剤不足、やむを得ず

沖永良部徳洲会病院で互いに採血し合う職員たち=12日午後8時ごろ(同病院提供)

 日赤の血液製剤ではなく供血者から採血して患者に輸血する院内血(生血)輸血。安全性の問題から厚生労働省は緊急時以外行うべきではないとしているが、血液搬送が間に合わない離島では避けられないのが現状だ。鹿児島県沖永良部島で12日、緊急患者が発生し血液在庫が切れ、生血輸血が行われた。医師たちは「救命のためにはやむを得ない。離島の現状を知ってほしい」と訴えている。

■島の在庫は5本のみ

「至急!!O型の血液の職員は病院までお集まりください!」「緊急で輸血をいたしますが、血液が足りません!」。12日午後7時51分、沖永良部徳洲会病院(玉榮剛院長、132床)の職員連絡ツールに一斉にメールが届いた。入院中の患者が大量に下血し、夕方にはショック状態になって意識レベルも低下。大量の輸血が必要になった。

 O型の患者だったため使用できる血液型はO型のみ。同病院が普段備蓄する輸血用血液製剤はA型2本、O型3本。下血のスピードから「手術にしろ搬送にしろ、この速さでは血液が足りなくなる」。玉榮院長は生血輸血を即決した。

 病院に駆け付けた職員は10人以上。到着した看護師から順に互いに採血を行い、合計10本分の血液を確保した。悪天候だったため奄美海上保安部の巡視船が搬送要請に応じ、患者は輸血を受けながら沖縄へ向け13日午前2時に沖永良部島を出港。同7時20分に那覇市に到着し病院に搬送され、一命を取り留めた。

■生血輸血の課題

 生血輸血は供血者の問診や採血した血液の検査が十分に行えないことが多く、特別な事情のない限り行うべきではないと厚労省が指針を出している医療行為。

 輸血医療の専門医によると、リスクとなるのは輸血媒介感染症と輸血後移植片対宿主病(ゆけつごいしょくへんたいしゅくしゅびょう)(GVHD)。日赤の血液製剤は厳密な検査と放射線照射で安全性を保証しているが、急を要する生血はそこまでの検査ができない。また奄美大島では生血に放射線照射を行っているが、他は行えない島が多い。

 日本輸血細胞治療学会誌に掲載された論文によると、鹿児島県の離島での生血輸血数は2017~20年の3年間で種子島4人、屋久島28人、奄美大島8人、喜界島2人、徳之島1人、沖永良部島1人の計44人に上っている。

■病院間で血液融通は

 血液製剤は使用期限が短く高額な医薬品。沖永良部徳洲会病院の原口喜代恵外来看護師長は「費用の問題や使えない場合の廃棄を考えると、島での備蓄量は制限される。だからこそ平時から他の島と融通ができるようにできないか」と話す。

 県は「緊急時の融通は国の通知に従い認められている」とした上で、「備蓄量は医療機関の判断に委ねられている。限りがある血液製剤は適正利用が大事」とコメント。平時の融通については「制度上認められていない」としている。

 生血輸血をせざるを得ない離島の状況について、国の審議会委員を務めた輸血医療の専門家は「現状はやむを得ないと考えるが、今後はなるべく生血を使用しなくても済むような体制を構築する必要がある」と指摘する。

 玉榮院長は「離島がこのような状態に置かれていることを皆さんに知ってほしい。この問題を他人任せにせず、自分たちに何ができるのか考えていただきたい」と話している。

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