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脱炭素化へEVバス導入 知名町フローラルホテル 沖永良部島

運行を開始したおきえらぶフローラルホテルのEVバス=23日、鹿児島県知名町

 鹿児島県知名町が経営する「おきえらぶフローラルホテル」に導入されたEV(電動)バスの運行開始セレモニーが23日、同町知名のホテルであった。関係・協力する企業、団体などから約40人が出席。排出ガス削減による環境負荷低減や地域の持続可能な発展への貢献に期待を込めた。

 同町は2022年、和泊町と共に環境省の脱炭素先行地域に選定され、公共施設への再生可能エネルギー(再エネ)導入や車両の電動化などを進めている。今回のEVバス導入は、町が排出するCO2の約3分の1を占める運輸部門の脱炭素化を推進するとともに、島内外の多くの人が利用するバスをEV化することで、町の脱炭素の取り組みをPRする狙い。

 九州電力(福岡県)と芙蓉総合リース(東京都)がカーボンニュートラル社会の実現に向け、EVバスを定額制(サブスクリプション)で貸し出す「九電でんきバスサービス」の提供を受けた。事業費は約7千万円で、脱炭素先行地域事業の交付金を活用。充電設備導入や保守サービスなどを含む8年間の契約となっている。九電によると、同サービス提供は知名町が初めて。

 乗車定員は29人。主に港や空港まで同ホテル宿泊客を送迎するほか、冠婚葬祭等でホテルを利用する島民の送迎利用も想定している。25年度以降に計画されている同ホテルへの太陽光発電設備設置後は、再エネ電源による充電を行う予定。非常災害時はEVバスを電源として活用することも可能だ。

 この日のセレモニーでは赤地邦男副町長が「宿泊者に快適な移動とともに環境に優しい交通手段を提供し、地域の持続可能な発展に寄与することができると確信している」とあいさつ。協力企業を代表して九州電力の豊田仁コーポレート戦略部門インキュベーションラボ長は「知名町、島のカーボンニュートラル実現に向けて一翼を担うことができれば幸い」と述べた。

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