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樹林寺に無墨の水墨画 戸板の表裏に12枚

長尾無墨が戸板に描いた水墨画と、解説をする原館長=樹林寺

 伊那市高遠町東高遠の樹林寺に、高遠藩校の進徳館の大助教(師範手伝い)を務めた南画家の長尾無墨(1832~94年)が戸板に描いたとみられる水墨画が残されていることが分かった。無墨研究の第一人者で高遠町公民館の原和男館長が27日、残されたほかの作品と比べて線の力強さと落款の形から、高遠藩時代に「冀北」と名乗っていた無墨の水墨画と鑑定した。

 無墨は進徳館が開闢した幕末の万延元(1860)年から教師陣のリーダーとして藩士の人材育成に尽力した。藩校が閉校した明治維新以降は筑摩県に招かれ、教育者として近代教育を普及させ、学校創設を推進した。

 生涯を通じて画業で研さんを積み、高遠藩時代の色彩が濃い強い線が特徴の作品が残されている。県の官員を退官後は画業に専念し、明治13(1880)年には無墨を代表する雁の絵が明治天皇に展覧される栄誉を受けた。

 樹林寺の水墨画は中国故事で禅画の題材にされた「寒山拾得図」や滝、鶴などなど戸板の表裏に描かれた12枚。寒山は、力強い筆遣いで体の曲線を描き、顔や手足などは細筆で丁寧に描写している。いずれも金粉がちりばめられている。

 原館長は「落款がまったく同じなので無墨の水墨画に間違いない。生命力と活力にあふれ、(筆で)一発で決めている。筆力が力強く、黒い点で松の幹を描いているのが特徴。寺で代々宝として残されてきたので保存状態が非常に良い」と話した。

 同公民館では、資料として存在が確認されていない無墨の写真か肖像画を探している。同じ時代に中央で活躍した偉人たちの中で写真がない人物はほとんどいないといい、「最大のミステリー」(原館長)として情報を募っている。

 問い合わせは同公民館(電話0265・94・2557)へ。

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