岡谷産ブドウワイン 三澤さんゼロから商品化
完成した初めての岡谷産ブドウで醸造されたワインと三澤さん
岡谷市川岸中の自営業、三澤智行さん(55)が自宅近くに借りた畑で2013年から栽培を始めたブドウを原料に醸造されたワインが完成し、7月1日に販売を始める。26日には三澤さんが市役所を訪れ、今井竜五市長に完成したワイン「Riverside Okaya カベルネ&メルロー2016」を披露した。
三澤さんは、障がいのある長女を通じて障がい児や親との交流が始まり、障がいを持つ子どもの移送に悩む親の姿を見たことをきっかけに、50歳の時に福祉タクシーを起業。子どもたちの成長と共に「就労の場を確保したい」と考え、生産から加工、販売まで一体的に取り組める6次産業としてのワイン用ブドウ栽培を始めた。
農地も農業経験もないゼロからスタートだったが、県が主導する「信州ワインバレー構想」の新規参入者支援講座などで学びながら、13年11月に自宅近くに借りた畑に最初の40本を植えた。その後も、三澤さんの“本気”に共感した周囲から農地を借りて栽培面積を増やし、今年4月に植えた600本を加えて1400本のブドウを育てている。
これまでのブドウ栽培はすべて朝や夕、休日など福祉タクシーの仕事の合間に一人で作業。昨年10月、カベルネソービニヨン約70キロとメルロー約16キロを初収穫し、伊那ワイン工房(伊那市)に醸造を委託していた。
初めて出来上がったワインは750ミリリットルボトルで75本。今井市長にブドウ畑の写真をラベルに使ったボトルを披露し、「苗が根付くかどうかも未知数だったが、こうして出来上がったワインを持って来れたこと自体が夢のような気持ち」と三澤さん。試飲した今井市長は「渋みが少なくて飲みやすい」と話し、「一人でここまでやった馬力がすごい」と賞賛した。
将来は栽培面積を現在の0・8ヘクタールから約3ヘクタールまで拡大し7000本のブドウ栽培を目指す。当面は委託醸造したワインを販売していくが、いずれは酒類醸造免許も取得して「小規模なワイナリーの設立を」と三澤さん。初めてのワインにも生産者名には「Collabo Vineyard」(コラボ・ブドウ園)と名付け、「障がい者も含めて、みんなと一緒に力を合わせて地域の活力になっていければ」という願いを込めている。
今年出来上がったワイン75本のうち販売するのは50本。1本2500円(税込み2700円)で、7月1日から三澤さんの自宅で販売する。問い合わせも三澤さん(電話0266・23・7556)へ。
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