市民劇「ひとすじの糸」上演

始まった市民劇「ひとすじの糸」。熱演する出演者=穂の国とよはし芸術劇場で
豊橋を全国有数の製糸のまちに発展させた女性起業家・小淵しち(1847-1929年)の波乱の人生を描いた市民劇「ひとすじの糸」(東愛知新聞社など後援)が24日、豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場プラットで幕開けした。郷土の偉人を語り継ごうと「市民のために市民の手でつくる演劇」で、大勢の観客が会場を埋めた。 劇は、市民団体「ひとすじの会」(宮下孫太朗会長)が主催。しちを取り上げた「ひとすじの糸」は昨年3月に続く2回目で、新たに出演者を募集し、演出は豊橋にゆかりのある俳優で演出家の伊沢勉さんを起用した。 しちの出身地群馬・前橋時代から豊橋・二川で製糸工場を立ち上げ、不可能とされた2匹の蚕が入った玉繭から糸を紡ぎ出すまでの人生が演じられた。 出演者は、若者を中心にした8歳から70歳代まで3世代にわたる約40人で職種もさまざま。半年間、稽古を積み重ねて本番を迎えた。 「しちを後世に伝えるためにも若い世代を集め、芝居を作りたい」と話していた伊沢さん。しち役の市川かおりさん、女工役の高校生らは、座って糸を取る座繰りを体験したり、資料展示物を見学したりして養蚕や製糸にも理解を深め、役づくりをした。上演後、市民団体の関係者は「稽古だけでない経験が舞台で表現されたと思う」と話した。 前回とは違う場面も導入され、建具店を営む出演者の男性が作った座繰り機10台も使い、舞台に臨場感を出した。 この日の1回目の公演後、伊沢さんは「いい緊張感でできたと思う」。しちの夫・徳次郎役を務めた杉浦博人さんは「演劇を初めて見る人でも楽しめる内容。多くの人に見ていただき、しちの人生、演劇の魅力を知ってもらえれば」と話した。
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