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100年ぶりに復活 苫小牧の正光寺の仏教講座

苫小牧市高砂町の正光寺で月1回、仏教の世界や教えをひもときながら宗教や文化、歴史などを学ぶ「はじめて学ぶ 仏教文化講座」が開かれている。吉井直道住職(32)が、曽祖父で同寺創始者の吉井一行氏が開基当時に開いていた宗教文化会を、名称を変えて約100年の時を経て復活させた。吉井住職は「みんなで楽しく学べる場にしたい」と話す。

吉井住職(奥)の解説に耳を傾ける参加者

 仏教文化講座は今年1月、仏教の開祖ブッダ(シッダールタ)の生涯を知るところからスタート。2回目の25日は26人が参加し、シッダールタが29歳で出家してから悟りを得て死去するまでの歩みを学んだ。

 シッダールタは仙人に弟子入りするも満足できず、苦行の道に進んだが6年経っても病や死といった人生の苦悩が解決しないことから、苦行をやめることを決断。吉井住職はこの行為が仲間から軽蔑されたというエピソードに触れ、「苦行は善で快楽は悪、という感覚は現代も残っているのでは」と述べた。

 ブッダが80歳の時、食あたりで死去する際の様子を描いた「涅槃(ねはん)図」も紹介。動物や虫も悲しみに暮れていること、体の右側を下にして横たわるポーズは消化を助けるのに理にかなっていることなどを説いた。

 木に引っ掛かっているように描かれた薬については、ブッダの亡くなった母が天上からわが子のために投じたもので、これが「投薬」の語源と解説した。

 同寺は1920(大正9)年に創建された「念仏道場」が始まり。23(同12)年に赴任した吉井一行氏が追分安立寺の菅瞬英氏と宗教文化会を設立し、道内外から講師を迎えた講演会や音楽会などを毎月開いたという。

 同寺の記録や苫小牧市史で曽祖父のこうした取り組みを知り「今とは時代も環境も大きく異なる中で斬新な方法で学びを広げたことに感動し、自分もやってみようと考えた」と吉井住職。仏教の教えのみならず、現代の生活にも通じる知識や教養も伝えていきたい考えで「参加者の関心に合わせて内容を計画していきたい」と意気込む。

 次回は3月24日午後3時~同4時、「彼岸」をテーマに行う。一般参加者はテキスト代500円が必要。申し込み、問い合わせは同寺 電話0144(32)2664。

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