桃原用昇氏から寄贈された「ヤギと少年、洞窟の中へ」を手にする﨑山晃教育長（左）と佐事安弘教育長＝20日午後、石垣市役所

　角川書店元専務で石垣市出身の桃原用昇氏＝東京都在住＝は20日、第44回沖縄タイムス出版文化賞の児童部門受賞作品「ヤギと少年、洞窟の中へ」（池澤夏樹、黒田征太郎著）47冊を八重山の全小中学校などに寄贈した。今年で4回目の寄贈となる。

　同絵本の後半には沖縄戦で亡くなった「ひめゆり学徒隊」の生徒たちの名前と没地とともに献花が描かれており、感銘を受けた桃原氏が「ぜひこの本を子どもたちに読んでもらいたい」と今回の寄贈に至った。

　贈呈式は石垣市役所で行われ、市の﨑山晃教育長と竹富町の佐事安弘教育長が出席した。

　贈呈された図書は、八重山地区の全小中学校と八重山3高校、石垣市立図書館に寄贈される。

　﨑山教育長は「糸数壕（ごう）のガマの中で戦争を体験しているような雰囲気になったのが感動的だった。小学生だけではなく中高生にも読んでもらい、戦争の悲惨さを忘れないように考えてほしい。何度読み返しても深い内容があるのではないかと思う」、佐事教育長は「戦争の悲惨さを今の子どもたちにしっかりと知ってもらいたい思いがあると思う。戦争は二度とおこしてはいけない。読んでもらって平和教育につなげたい」とそれぞれあいさつした。