”疫病神”追い払え 長野県原村中新田で「事八日」の伝統行事

ケツアブリ道祖神(右)でもみ殻とトウガラシをいぶし、双体道祖神(左)の口元に餅を張り付けた伝承委員ら
農作業が始まる時期とされる「事八日(ことようか)」の伝統行事が8日、長野県原村中新田で行われた。中新田区の伝承活動継承委員会が執り行い、同委員と区三役の計8人が参列。疫病神が退散するように-と、もみ殻にトウガラシを交ぜて燃やしながら、県道沿いの道祖神2基に餅を張り付けた。
2月8日に行われる年中行事。言い伝えによると、区内の津島神社の神様(津島様)は毎年、事八日の日に出雲の国に年取りに出掛ける。神様が不在だと村に疫病神が入り込むので、津島様は留守を黙っているように道祖神に言い付けるという。
村人たちは津島様が戻るまでの間、道祖神が話をしないように道祖神の口に餅を塗り付け、各家庭でも家内安全のため、木戸口で疫病神が嫌うトウガラシを交ぜたもみ殻をいぶすのが習わしだった。しかし時代とともに各家庭で風習が失われたため、同委員が伝承している。
篠原昭委員長(70)が祝詞を奏上してから、ケツアブリ道祖神と呼ばれる石ほこらの下でもみ殻とトウガラシを交ぜて燃やした。煙が立ち上がる中、隣の双体道祖神でそれぞれの口をふさぐように餅をくっ付けた。今年は同委員らが習わしを執り行う前に、近くの住民が付けたとみられる餅が1個あった。
篠原委員長は「(自分が)小学校低学年の頃は自宅でも習わしをやっていた。毎年のことだが、1年間無事で区民が過ごせたら」と話していた。この日は津島神社で祈念祭の神事も執り行い、五穀豊穣(ほうじょう)を願った。
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