認知症「見守りQRシール」利用して【山陽小野田】
山陽小野田市は、認知症などにより迷子になっている高齢者を家族に知らせるための「見守りQRシール」を無料配布している。自分の居場所が分からなくなった高齢者を発見した人が、高齢者の持ち物に貼られたシールのQRコードをスマートフォンなどで読み取り、家族に知らせることができる仕組み。市高齢福祉課では「個人情報の保護にも有効な連絡手段」と活用を呼び掛けている。
QRコードには利用申請の段階で本人の名前、保護する家族の連絡先、住所、メールアドレスを登録しておく。個人情報は迷子になった高齢者を発見した人には表示されず、スマートフォンから家族に電話、メールが可能。発見した場所の位置情報も送信することができる。
QRシールは2021年、「おかえりQR」の名前で民間事業所が社会貢献の一環として希望する自治体などに提供したもの。子どもが迷子になったときや災害時の安否確認にも使えるが、市では認知症の高齢者を保護するのを目的に同年6月から希望者への配布を始めた。
「認知症の高齢者を抱えているが、いつ道に迷って帰れなくなってしまうか心配」という家族もいれば、軽度の認知症を自覚した本人が同課の窓口を訪れ利用申請したケースもあるという。
制度を知らない人が多く、これまでの利用者は延べ15人にとどまっているが、同課では認知症サポーター養成講座、民生委員やケアマネジャーが出席する会議、認知症の人や家族が交流する認知症カフェなどでチラシを配り、QRコードの読み取り体験などを行って制度の周知に努めている。
同課の認知症地域支援推進員、中嶋克行さんは「かばんや帽子の裏、つえなどにQRシールを貼ってもらう。直接、本人の名前や住所、連絡先を持ち物に明記することがないので個人情報の保護、セキュリティーの確保にもなっている」と話す。
運用システム上、実際に利用された件数は把握していないが、認知症患者の増加が予想される中で有効な連絡ツールと期待している。
厚生労働省は65歳以上の高齢者の17・5%が認知症になると推定。1月1日現在で市内には3769人の認知症患者がいる計算。推定値は25年には20・0%に引き上げられ、高齢者の5人に1人は認知症を発症し、軽度認知障害を含めるとさらに多くなるといわれている。
「見守りQRシール」の希望者は同課(電話82―1149)へ。一年ごとに登録を更新する。
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