上映後に舞台あいさつする工藤成珠さん（中央）、山下大裕監督（右端）ら＝２１日、和歌山県田辺市新屋敷町で

　和歌山県田辺市上秋津出身の俳優、工藤成珠さん（２３）主演の映画「ひとしずく」が２１日、田辺市新屋敷町の紀南文化会館小ホールで上映された。工藤さんにとって初の長編映画の出演作であり主演作。約２００人の観客で埋まった会場に向け「自分の作品で田辺に帰ってきたいと思っていたので、思いが一つかなった。たくさんの人が集まってくれて本当にうれしい」と喜びの笑顔を見せた。
　工藤さんは小学生の頃から芸能界に興味を持ち、上秋津中学校を卒業後に上京。現在は東京都内の事務所に所属して活動している。今回、２２０人が参加したオーディションで主役に選ばれた。
　この映画は、地域おこし協力隊として鹿児島県南大隅町に移り住んだ女性が、地域の人と関わりながら成長する姿を描いている。監督・脚本を務めた山下大裕さん（３１）は南大隅町の地域おこし協力隊ＯＢ。映画制作に際し、よりリアルな内容にするため、４７都道府県全てを訪れ２００人以上の地域おこし協力隊や関係者から話を聞いたという。
　鹿児島県外での上映はこの日が初めて。山下監督は舞台あいさつで「工藤さんの『応援団』が地元にこんなにたくさんいることが分かった。工藤さんはすごく頑張ってこの作品に臨んでくれた」、工藤さんは「田辺で上映できたことが本当にうれしい。私の今後の役者人生の糧になる、幸せだなと思う」と話した。