幕末から明治庄内藩舞台に映画

原作本を手に、幕末から明治の庄内藩を舞台にした映画作品への思いを語った左から宇田川さん、三原さん、小暮さん=12日、荘内日報本社
幕末から明治にかけての庄内藩を舞台にした映画が制作される。年内に庄内地域で撮影に入り、明治維新150年となる来年秋の全国公開を予定する。タイトルは「LEGACY(レガシー)遺訓―庄内藩幕末秘話」(仮題)。戊辰戦争を経て殖産興業に立ち上がった庄内藩の姿と西郷隆盛(南洲)との交流を基にした「南洲翁遺訓」の編さんまでを描く。映画の監督らスタッフが12日、荘内日報本社を訪れ、作品に寄せる思いを語った。
映画は作家の宇田川敬介さんの「庄内藩幕末秘話」「小説庄内藩幕末秘話第二 西郷隆盛と菅秀三郎」(いずれも振学出版)が原作。宇田川さんが脚本を担当し、井田國彦の名で俳優としても活躍する三原弘樹さんが監督を務める。デザイン担当の小暮満寿雄さんらと共に、本社を訪れた。
製作委員会メンバーでもある宇田川さんによると、映画制作は昨年から具体的に動きだし、今年4月には関係者が庄内を訪れ、ロケハンを行った。早ければ今夏にも鶴岡市のスタジオセディック庄内オープンセットなどで撮影に入るという。
宇田川さんは「戊辰戦争で唯一新政府軍に勝ち続けた佐幕派でありながらも、降伏後は松ケ岡開墾で殖産興業に尽くして明治政府の新たな国造りに貢献し、さらに戊辰戦争後に信頼を強めていった西郷と庄内藩。そこから生まれた南洲翁遺訓。こうした庄内藩に強く引かれた」と原作となる小説を書いた経緯を話した。
映画は庄内藩による江戸薩摩藩邸焼き打ち事件から、西南戦争後の西郷の復権と元庄内藩士による南洲翁遺訓の編さんまでを描く。メガホンを取る三原さんは「庄内藩の歴史を客観的に捉えながら、立場が違う者同士が心を通わせ合う人間ドラマを描きたい」と抱負を語った。出演者も固まりつつあり、庄内在住者の配役やエキストラ出演もあるという。
原作・脚本の宇田川さんは「愛する郷土と家族を守る武士たちの思い、人と人が向き合って生きる姿、松ケ岡開墾を例に人々が心を合わせて一つのことを成し遂げようとするときの人間たちの強さを描きたい」と作品への思いを語り、「こうした庄内の姿に、西郷は明治維新後の新たな日本の理想を見たのではないか。幕末から明治の庄内の歴史を、映画を通じて全国に知らせたい。未来に希望を抱かせるような映画にしたい」と強調した。
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