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父の魂と一緒 酒田で墓参り 旧ソ連抑留者故阿彦哲郎さんの娘イリーナさん 哲郎さんの半生描いた映画公開前に

 第2次世界大戦後に民間人の身で旧ソ連に抑留され、同国崩壊まで帰国することがかなわなかった本籍・酒田市の故阿彦哲郎さん(1930―2020)の長女、阿彦イリーナさん(57)が15日、カザフスタン共和国から来日し、父・哲郎さんの死亡届の手続きと先祖の墓参りのため同市を訪れた。

阿彦さんの両親の墓参りをするイリーナさん(左)

 哲郎さんは樺太生まれで、両親が酒田市出身。ソ連侵攻により、母と弟は北海道に引き揚げたが、父と共に樺太に残り、鉄工所で働いていた。終戦後の1948年にスパイ容疑で逮捕され、カザフのジェスガズガンにある強制収容所に送られた。極寒の中の秘密鉱山で強制労働を強いられ、1年で体重が半分近く減少したという。54年に解放されるも、同容疑のため生活が監視され、旧ソ連崩壊までカザフからの出国が許されず、哲郎さんはカザフで出会ったドイツ系女性エカテリーナさんと結婚し現地で家庭を築いた。

 日本を離れてから40年以上経過した94年に初めて一時帰国、酒田市で親戚との対面や両親の墓参りを果たしたという。その際日本国籍も回復し、家族と共に札幌市に一時移住したが、2014年にカザフに戻り、20年6月に89歳で亡くなった。日本側が把握する大戦後の旧ソ連抑留者の中で、解放後現地で存命する最後の1人とされた。

 哲郎さんの長女のイリーナさんは今回、哲郎さんの半生を描いた映画「阿彦哲郎物語 戦争の囚われ人」が日本で公開されるのを前に来日。映画は民間人抑留者の理解を広めようと、カザフスタン政府が日本との国交樹立30周年記念作品として21年に製作したもの。

 この日、イリーナさんは元在カザフ日本大使館職員で同映画の監督を務めた佐野伸寿さん(58)らと共に市役所を訪問。窓口で手続きを行った後、矢口明子酒田市長を表敬しあいさつを交わした。

 イリーナさんは「父はとても優しくて正直な人だった。家族に心配をかけさせないためか、強制労働時代の話は全く話さなかった。映画を見て、多くの人が戦争について考えるきっかけになれば」と。佐野さんは「哲郎さんはカザフでは友好のシンボルとして知られているが、日本ではほとんど知られていない。映画を通して、歴史に翻弄(ほんろう)され、忘れられた日本人がいたことを伝えたい」と話した。矢口市長は「日本とカザフをつないでいただいて本当にありがたい。ぜひ再び来日し、市民と交流してほしい」と感謝を述べた。

 酒田にいる親戚と共に、同市西荒瀬地区にある墓地で墓参りを行ったイリーナさんは「父は生前、両親の墓参りをずっと願っていた。私はカザフから父の魂と一緒に来たので、かなえることができたと思う」とほっとした様子で話していた。

 哲郎さんの半生を描いた映画は、22日から東京のアップリンク吉祥寺のほか、全国で順次公開される。

生前の阿彦哲郎さん(左)とイリーナさん=カザフスタンの自宅にて

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